【ネオ和食とは】2025年に流行の兆し…「せいろ蒸し」「切り干し大根」「発酵食品」がブームを後押し!?[栄養士解説]
2024.12.14 野村ゆき
レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」が、2025年の食の流行予測として3つのキーワード「ネオ和食」「ハイブリット食感」「ドバイチョコ○○」を発表しました。この記事では「ネオ和食」にスポットをあてて、少し掘り下げてみたいと思います。
2025年はどんな食べ物が流行するの?
進化系クロワッサンの「クルンジ」や、ギリシャの伝統的な水切り製法で作られたヨーグルト「グリークヨーグルト」、「ライスペーパー」を使ったレシピなど……次々と生まれる食のトレンド。
2024年11月末、エブリー(東京都港区)が運営するレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」が、ユーザーのレシピ検索傾向や公式SNSのヒット投稿傾向などを徹底分析し、2025年の食の流行予測と2024年の「食トレンドランキング」TOP5を発表しました。そのなかで、2025年の食の流行予測として3つのキーワード「ネオ和食」「ハイブリット食感」「ドバイチョコ○○」が挙げられています。この記事では「ネオ和食」にスポットをあてて、少し掘り下げてみたいと思います。
2025年の食の流行予測ワード「ネオ和食」とは?
近年のインバウンド需要の高まりに加えて、2025年は大阪・関西万博の開催も予定されています。世界中から日本に注目が集まる中、伝統的な食材や調理方法が再評価され、現代の生活に取り入れやすい形にアレンジした「ネオ和食」の人気が高まると予測されています。
カロパも叶える!せいろ蒸しが爆発的ブームに?
「ネオ和食」の具体例として、SNSがきっかけで「せいろ」を使った料理が注目を集めています。「せいろ蒸し」で検索してみると、定番の野菜蒸しだけではなく、すき焼きのせいろ蒸し、パンとゆで卵やウインナーを一緒に蒸した朝食せいろなど、バラエティ豊かなレシピがネット上にあふれ、人気の高さをうかがい知ることができます。せいろ蒸しの利点としては、以下のポイントが挙げられます。
・専用家電を買い足す必要がない。杉や竹などで作られた本格的な「せいろ」が生活雑貨店やネット通販などで手に入る。
・「せいろ」を重ねて蒸すことで、ごはんやパンなどの主食と、肉や魚などの主菜、野菜などの副菜を、ほったらかしで一気に同時調理できる。
・冷蔵庫や冷凍庫にある野菜、魚やお肉、パンや冷やご飯など、どんな食材でも10分ほど蒸すだけのカンタン調理!
・肉の余分な脂を落としつつも、野菜のビタミンなどの栄養を逃さない「蒸す」調理法で、食材の旨みが引き出され、おいしくヘルシーに仕上がる。
・岩塩や黒コショウ、オリーブ油、塩麹、ポン酢、レモン、醤油、ごま油など、調味の工夫で味変を無限大に楽しめて食べ飽きない。
・蒸し上がったら、せいろごと食卓に出せて、洗いものが減る。
献立を考える手間が省け、時短調理が可能。ヘルシーでおいしいことに加えて、そのまま食卓に出してもおしゃれなこと、蒸し上がったときの湯気がごちそう感を演出してくれる点も魅力と言えそう。総合的にコスパとタイパが良い道具&調理法として「せいろ」「せいろ蒸し」が見直されているようです。また、最近では「カロパ」という言葉も注目されています。「カロパ」とは、カロリーパフォーマンスのことで、カロパ料理とは、カロリーを抑えながらもおいしさ、栄養、満足感を満たす料理のこと。せいろ蒸しは、カロパも叶える調理方法といえるでしょう。
腸活にいい発酵食品や干し野菜も「ネオ和食」の注目食材
ほかにも『DELISH KITCHEN』内では「腸活」の検索ボリュームが増加していて、中でも「切り干し大根」や「発酵食品」が注目食材とのこと。「ネオ和食」のキーワード食材として、今後さらに注目度が高まりそうです。
切り干し大根は定番の煮物だけでなく、旨みを出汁として利用できる鍋やヨーグルトで戻してサラダに活用するなど、活用方法もバリエーションが広がっています。栄養面では、切り干し大根のみならず、「干し野菜」には野菜に含まれる食物繊維、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミンDやビタミンB群が凝縮され、栄養価が増す利点があります。また、干すことでアミラーゼ酵素が活性化し、でんぷんを分解して糖を作り出すため、甘みもアップします。
また、日本には味噌、醤油、酢、納豆、漬物、麹、甘酒など独自の発酵食品が数多くある“発酵食大国”です。発酵食品には、栄養成分が体内に吸収されやすい、腸内環境を整える、ストレスや生活習慣病を防ぐ健康調整機能の向上などのメリットがあり、免疫力アップや健康維持に役立ちます。みなさんも取り入れやすい方法で、3食のうち1食は発酵食品を食べるようにしてはいかがでしょうか。
まとめ
インバウンド需要も追い風となり、日本の和食や伝統食が注目を浴びそうな2025年。「ネオ和食」の注目食材を上手に食卓に取り入れて、健康的な新年を過ごしください。
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デリッシュキッチン公式サイト
https://delishkitchen.tv/
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。
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