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【大阪・関西万博】親子で楽しめるおすすめパビリオンをピックアップ!食育・自由研究におすすめな「EARTH MART」を栄養士ライターが徹底取材~前編~

2025.7.23 野村ゆき

大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。会場の中心で存在感を放つ8つの「シグネチャーパビリオン」で、8人のプロデューサーが独自の視点でテーマを深掘りし、表現しています。今回は、小山薫堂さんがプロデューサーを務める「EARTH MART(アースマート)」を取材しました。

「食」に感謝したくなる!「いのち」の慈しみあふれる「EARTH MART」取材レポ

栄養士のおすすめパビリオン「EARTH MART」栄養士のおすすめパビリオン「EARTH MART」

 大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。その中核となるのが会場の中心で存在感を放つ8つの「シグネチャーパビリオン」で、8人のプロデューサーが独自の視点でテーマを深掘りし、表現しています。今回、小山薫堂さんがプロデューサーを務める「EARTH MART(アースマート)」を取材しました。

「『EARTH MART(アースマート)』って、どんなパビリオン?

茅葺き屋根が印象的な「EARTH MART」。全国5カ所から集めた茅が使われています。茅葺き屋根が印象的な「EARTH MART」。全国5カ所から集めた茅が使われています。

「EARTH MART」のテーマは「食を通して、いのちを考える」。そう聞くと重たい響きがするかも知れませんが、パビリオンの中は空想のスーパーマーケットの世界が広がっています。

 ワクワクする楽しさを感じながら「いのち」の重みやありがたみを感覚的に受け入れられる、子どもにも分かりやすい展示が特徴です。夏休みに親子で一緒に体験すれば、楽しい食育の場になりそうです!

食べものの背景とストーリーを見える化!「いのちのフロア」

手前は「野菜のいのち」として、種をつくるために枯れた野菜たちが展示。さらに、頭上を悠々と泳ぐイワシの群れにも、実は奥深いストーリーが!手前は「野菜のいのち」として、種をつくるために枯れた野菜たちが展示。さらに、頭上を悠々と泳ぐイワシの群れにも、実は奥深いストーリーが!

 入館してすぐのスペースでプロローグ映像が流れ、扉が開くと、最初に出現するのが「いのちのフロア」。野菜、魚(イワシ)、肉(ブタ・ウシ・トリ)、卵といった食卓でおなじみの食べものを主役に、私たちがスーパーなどで食材として手に取るまでの「いのち」の道のりが、実物やオブジェ、印象的な写真と共に訴えかけてきます。

普段スーパーで手に取る赤身の牛肉パック。その背景に牛の「いのち」が生まれる瞬間の写真がモノクロームで写し出されます。普段スーパーで手に取る赤身の牛肉パック。その背景に牛の「いのち」が生まれる瞬間の写真がモノクロームで写し出されます。

 私たちが生きるために不可欠な食事は、ほかの「いのち」の助けがあってこそ。シンプルで当たり前のことに、改めて気付くことができます。

考えたことなかった!3匹のイワシが食卓に届くまで

回遊する10万匹(左)から生き延びた、たった3匹(右)。イワシの「いのち」の壮大な旅に脱帽です。壁や足元にはイワシを狙う鳥やサメの演出も!回遊する10万匹(左)から生き延びた、たった3匹(右)。イワシの「いのち」の壮大な旅に脱帽です。壁や足元にはイワシを狙う鳥やサメの演出も!

 例えば、「いちばん食べられる魚」と題した展示では、「イワシ(鰯)」がクローズアップ。

1匹(1尾)のマイワシは一生の間に約10万粒の卵を産み、そのうち生き延びて成魚となるのが10匹(10尾)、さらに私たちの食卓へ届くのは、たったの3匹(3尾)。なかなか衝撃的な数字が展示と共に紹介されます。

「お財布に優しい」「栄養価が高い」という理由からイワシをよく食べてきた筆者ですが、もっと大切に味わっていただきたいという思いが強くなりました。

【次ページ】パッと目で見てわかるオブジェ「一生分のたまご」

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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