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「古書みつけ 浅草橋」に聞いてみた~巣ごもりさん向け週末オススメ3書~

2022.3.19 pon

本好きならずとも一度は訪れたい、独自の個性、感性が光る注目の書店をご紹介。店員さんに、巣ごもり時間にぴったりなおすすめ本も聞いてきました!

浅草橋唯一の本屋さん「古書みつけ 浅草橋」

古書みつけ外観 TOMOKO HIRAYANAGI

 JR浅草橋駅から歩いて7分ほど。ひっそりとそこにある「古書みつけ 浅草橋」は、編集プロダクション「伊勢出版」の1階にあります。「伊勢出版」は雑誌や書籍の制作の傍ら、浅草橋の情報を発信する地域メディア「浅草橋を歩く。」も運営。代表の伊勢新九朗さんが、仕事仲間でフリーライターの堀田孝之さんを店長にスカウトし、昨年秋にオープンしたのが「古書みつけ 浅草橋」です。

左・堀田さん 右・伊勢さん

 写真の右にあるのは“みつけの木”。二人の次の夢は、「浅草橋を舞台にしたゾンビ映画を撮りたい」なのだそう。

発行:笠倉出版社 制作:気がつけば警備員になっていた。高層ビル警備員のトホホな日常の記録/¥1,430(税込)/伊勢出版

 伊勢さんと堀田さんはともに日本映画学校出身で、編集プロダクションで同僚だったこともあるそう。昨年は、堀田さんが警備員として働いていた4年間のエピソードを書いた、「気がつけば警備員になっていた。高層ビル警備員のトホホな日常の記録」(笠倉出版社)の編集も伊勢さんが手がけています。

 伊勢さん:「以前、堀田くんが古本屋への憧れをしつこいくらいSNSでつぶやいていたのですが、それが面白くて。それで古本屋作るから、堀田くん店番してよ。お客さんいない時もいる時も、自分の仕事をしてていいからさって声をかけて。意外にトントン拍子でオープンできた(笑)。ちなみに二階はうちの事務所です」

 店名「みつけ」には、浅草橋がかつて「浅草見附(みつけ)」と呼ばれる場所だったこと、本を“見つけ”る、そして本から知識や発見をえて“実(を)つけ”て、という思いを込めているそう。

みつけの木 TOMOKO HIRAYANAGI

 店に入ってまず目に入ってくるのは、中央にある変わった形の木の枝に本が“実”のようにディスプレイされた“みつけの木”。この印象的な木を見つけてきたのをはじめ、店内の空間プロデュースをしたのは地元のカフェ「葉もれ日」のオーナー兼デザイナーの山口斗夢さん。山口さんや知人の木工職人さんの手を借りて、元は倉庫だった場所を多種多様な木材や家具を用い、温かみのある空間にリノベーションしたそう。

内装でこだわった小窓 TOMOKO HIRAYANAGI

 特にこだわったのは、入口の上方の欄間と、店内カウンターの小窓なのだとか。

 伊勢さん:「堀田くんが集中して仕事ができるようカウンターの一部を書棚で隠したのですが、お客さんに顔出しできないので、小窓をつけようと。なかなか良いアイデアですよね?」

伊勢さんお気に入りの欄間 TOMOKO HIRAYANAGI

 伊勢さん:「他にも、山口さんは欄間づくりの発信源として葉もれ日をはじめた背景もあることから、ぜひ欄間を使いたいとお願いしました」

地元浅草橋周辺ゆかりの作家・俳人、舞台となった本を集めたコーナー

 現在「古書みつけ 浅草橋」で扱う本は、伊勢さん、堀田さんが集めたもの、そして近所の方々の寄贈本から堀田さんが選書して店頭に並べています。ベストセラーから文学全集、伝統芸能の本、写真集など、さまざまなジャンルの本が書棚にぎっしり。特に力を入れているのが、地元浅草橋や柳橋など周辺を舞台にした本をまとめたコーナーです。

 堀田さん:「やっぱり浅草橋に店を構えたからにはそこは外せないねと。柳橋に住んでいた島崎藤村や、この周辺を舞台にした幸田文とか山本周五郎の時代小説とか、ゆかりのあるものをできるだけ集めています。お客さんも浅草橋の唯一の書店ならではのセレクトなので注目してくださいます。じつは僕自身、もともと本は読む方でしたが、時代小説はほとんど読んだことがなかったんです。店長になってから読みましたが、どれも面白くておすすめしたい本ばかりです」

 オープンを大々的に宣伝していないため、地元や偶然通りかからないと気づかない場所にある“知る人ぞ知る”店。にもかかわらず遠方から来店するお客さんも少なくないのだとか。

 堀田さん:「僕が読んだ本の感想などを書いている、SNSの読書アカウントがあるのですが、そこから知って来てくれる人もいて。僕たちは地元の人しか来ないと思っていたので驚きました。浅草橋はいい店が多いので、うちだけでなく近所の店にもぜひ足を伸ばしてほしいですね」

「古書みつけ 浅草橋」伊勢さん&堀田さんがおすすめする3書!

著者 pon

アイドル誌、エンタメ誌の編集者を経て、現在はフリー編集&ライターとして女性誌やエンタメメディアにて活動。広報やイベント企画のお手伝いもしています。仕事とは関係なくアジアドラマをとにかく見倒す日々…。

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