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【サワラの旬】関西と関東で旬が違う!?鰆の豆知識と栄養を解説!

2025.4.26 野村ゆき

俳句では春の季語とされ、「春を告げる魚」として親しまれてきた鰆(サワラ)。実は旬の時期は地域で異なります。この記事では鰆の栄養と豆知識についてクローズアップします。

旬はいつ?鰆の豆知識と栄養を解説

関西と関東で旬が異なる!?関西と関東で旬が異なる!?

 漢字で「魚」へんに「春」と書く、「鰆(サワラ)」。俳句では春の季語とされ、「春を告げる魚」として親しまれてきました。でも、実は旬の時期は地域で異なります。この記事では鰆の栄養と豆知識についてクローズアップします。

 鰆は回遊魚で産卵のために春から初夏にかけて瀬戸内に集まるため、関西では春が旬とされています。一方、関東では晩秋から冬に外海へ移動する脂がのった寒鰆(カンザワラ)が好まれています。

 地域で旬の捉え方が異なるのがユニークな点で、産卵時期の夏以外はおいしいため旬が長いとも言えるかも知れません。

 地域性の特徴としてはもう一つ、鰆は成長するにつれて名前が変わる出世魚で、関東では「サゴチ」→「サワラ」、関西では「サゴシ」→「ヤナギ」→「サワラ」と呼び名が変化します。一般的に体長70cm以上のものが「サワラ」と呼ばれています。出世魚には他にもブリやカンパチなどがありますが、サラワは特にスピード出世で、孵化後4日目には鋭い歯が生えて食欲旺盛に泳ぎ回るそうです。縁起の良さからお祝いの席の懐石料理などに重宝されてきました。

栄養バランスが優秀!切り身1つで1日分を補える栄養素も

▲1切れの鰆に成人女性が1日に必要なナイアシンやビタミンB12がたっぷり▲1切れの鰆に成人女性が1日に必要なナイアシンやビタミンB12がたっぷり

 栄養面の特徴は、たんぱく質、カリウムやカルシウムなどのミネラル、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、たんぱく質の合成を助けるビタミンB2、アルコールの分解を促進するナイアシン、傷ついた神経細胞を修復するビタミンB12などがバランスよく含まれていること。

 また、動脈硬化などの生活習慣病予防に役立つとされているオメガ3脂肪酸のEPAやDHAもサバやサンマほどではありませんが比較的多く含まれています。ちなみに、肉厚の切り身1切れ分(約100g実測値)に、成人女性が1日に必要なナイアシンやビタミンB12が含まれています(※1)。

※1)サワラ100gに含まれるナイアシン当量は13mg、女性18~29歳・50~74歳の1日の推奨量11mg(30?40歳は12mg、75歳以上は10mg)。ビタミンB12の含有量は5.3mg、男女12歳以上の1日の目安量は4mg/いずれも『日本人の食事摂取基準(2025年版)』『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より

尻尾近くの部位がおいしい!

 スーパーなどでは、鰆は切り身の状態で売られていることが多いですよね。皮目の銀色がみずみずしくてハリがあり、斑点の模様がくっきりしているものを選ぶようにしましょう。身がやわらかく崩れやすいので、厚めの切り身を選ぶこともポイントです。

 なお、魚は一般的に頭側の方がおいしいと言われていますが、鰆は尾ひれ側がおいしいと言われています。また、切り身を粕漬けや味噌漬けにすると日持ちし、風味も高まるのでオススメですよ

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、藤原昌高著『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店,2010、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、『知っておきたい魚の基本 新装版』エイ出版社,2020

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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