片想いの切なさと成就する恋……Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」7〜8話、揺れ動く恋の最終章へ
2025.3.9 北村有
Netflixの恋愛リアリティショー「オフライン ラブ」7〜8話を考察! ついに参加者それぞれの恋の決着が見え始める……10人の決断に釘付け。
報われない想い? アルの苦悩と、ミミの選択

「オフライン ラブ」7〜8話では、ついに参加者それぞれの恋の決着が見え始める。最年少のミミ(20)の気持ちは完全に元水球日本代表のアツシ(30)へ傾き、おそらくそれを察していたダンサーのアル(30)は「1000%楽しむのは無理かも」と涙。一方、俳優のナナミ(25)を一途に想う芸人のケンスケ(24)。ナナミもそんなケンスケに少しずつ心を開いている様子。その裏で俳優・モデルのユウダイ(24)の恋は未練たっぷりで……。「最後に時間が欲しい」とナナミに伝えるユウダイ。「偶然会えたら」なんて、最後は運命に頼るしかないという事なのか!?
「オフライン ラブ」のなかでも特に注目を集めていたのは、ミミ・アル・アツシの三角関係。しかし、この7〜8話でついに決着がついたように見える。
アルはミミへの想いを募らせるあまり、どうも不安になってしまいがちのようだった。ちょっとした冗談も真に受けて落ち込んでしまったり、前回のデートでも、ミミからデートの時間をずらされたことで、自分の優先順位が下げられた?と気にしてしまっていたのかも……。
そんなアルに対し、ミミは「ミミのことが好きだから考えちゃうんでしょ?」とストレートに明るく励ましていた。こういうミミの真っ直ぐな優しさ、誰にでもあるものじゃない。アルとのデート後、アツシに会えたうれしさと安堵から思わず泣いてしまったミミの気持ち、多くの視聴者の共感を集めたのではないだろうか。
アルはミミとのデート中「1000%楽しむのは無理かも」と涙を流してもいたし、楽しもうと精一杯努力していたのは伝わってきたけれど……。「メゾン・マルゴーには行かない」宣言をしたミミの気持ちはもう、アツシで決まってしまったようだ。アツシ以外からの手紙は受け取らず、会いもしない作戦に出る。「ミミはあっくんが好きだよ」「こんなにときめくとは思ってなかった」と真っ直ぐに言葉にしていたこともあり、もうすっかり完全にアツシに落ちていることが分かる。
なんとも切ない結果になってしまいそうなアル。彼が悪いわけではなく、タイミングが合わなかっただけ。そしてアルは、モデルのマホ(30)に手紙を出す。これは次の恋への第一歩なのか、それともただの現実逃避なのか……。
ナナミが“恋する気持ち”に気づいた日……ケンスケとの未来へ

ミミ・アツシ・アルの関係性と同じくらいにホットなトピックだったのが、ナナミとケンスケの関係である。こちらも、ついに決定的な動きを見せた。
ナナミとケンスケが一緒にラーメンを食べるシーン、明らかに態度が違う! 誰のって、ナナミの態度だ。これまで「人を好きになる気持ちが分からない」と言っていた彼女が、ケンスケに対してはどんどん素直に、ストレートに感情を言葉にするようになった。 「ケンスケくんといるときがいちばん楽しいかも」と自分の気持ちを口にした瞬間なんて、ナナミ以上に涙腺を緩ませた視聴者が続出だったんじゃないだろうか。
そんなナナミに対し、ケンスケも「もちろん俺もですよ。だからずっと一緒にいたんです」とまっすぐに返す。このやりとり、どんなに控えめに見ても最高。おそらくケンスケはナナミに対してほぼ一目惚れなので、気持ちが通じてよかったね……と微笑ましい気持ちにさえなる。
ナナミがケンスケに自分のウィッシュレターを渡すシーンで、ケンスケは飛び跳ねながら全身で喜びを表現していた。MCの令和ロマンの二人も言っていたように、まさか自分に渡されるとは想定していなかったのだろう。
彼らがエズという村で交わした会話もよかった。目の前に広がる壮大な景色を前に、スマホを禁止された二人は写真さえ撮れない。しかしナナミは「もういいや、iPhoneいいや」と発言し、ケンスケも「もういいか」と同調。スマホのない生活が日常となりつつあるのだ。SNSもLINEもない世界だからこそ、ナナミとケンスケの距離はトップスピードで濃密なものになりつつあるのかもしれない。
諦めきれないユウダイ、ナナミと“最後の約束”

ミミとアツシ、ナナミとケンスケ、大学生でモデルのショウ(22)とブランドプロデューサーのカナカ(25)など順調な二人もいれば、なんとも切ない方向に傾いている関係性もある。そのうちの1組が、俳優のトウコ(24)と俳優・モデルのユウダイだろう。
ユウダイは、マホとの香水作りデートを楽しんでいたように見えた。かつ、彼に想いを寄せるトウコとも良好な関係を築いていたように見えたが、やはりユウダイの心には、なかなかタイミングが合わずにまともに話せてもいないナナミの存在が消えなかったのだろう。彼女と会うために手紙を投函し「最後に時間が欲しい」と願うも、ナナミの予定はすでにケンスケとのデートで埋まっていた。
それでも「もしたまたま街中で会えたら」と、運命に賭けることにしたユウダイ。10日間という限られた時間、積極的に動くことが大事なこの環境で「偶然」という運命に頼るしかないユウダイの気持ちを想うと、タイミングがいかに大事か思い知らされる。
スマホ禁止が言い渡されたこの旅では、どんなふうに動くのが正解だったのだろう? 初日に偶然ほかの参加者と会えた側が、有利だったとは言い切れないはず。ミミとショウは初日に会えたレアな二人だけれど、結局それぞれ違う相手に惹かれている。結局のところ、タイミングと同じくらい、どれだけ気の合う相手と巡り会えるかにかかっているのだろうか。
【Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」世界独占配信中 (全10話)】
ライター。2019年に独立。主に映画やドラマ関連のレビューやコラム、インタビュー記事を担当。主な執筆媒体はtelling, / ぴあWeb / CYZO ONLINE / TRILL / LASISAなど。映画館と純喫茶が好き。
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