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スマホなし恋愛、難しすぎる!?Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」5〜6話が映す“令和の恋愛”のリアル

2025.3.8 北村有

Netflixの恋愛リアリティショー「オフライン ラブ」5〜6話を考察! 参加者同士の恋愛観の違いや駆け引きが鮮明に……10人の参加者たちは“運命”を味方につけられるのか?

恋は“運命”?それとも“努力”?

(左)俳優・モデルのユウダイ、(右)俳優のナナミ(左)俳優・モデルのユウダイ、(右)俳優のナナミ

 スマホなしの10日間で、運命の恋は生まれるのか?Netflixで配信中の恋愛リアリティ番組「オフライン ラブ」5〜6話では、参加者同士の恋愛観の違いや駆け引きが鮮明に。最年少のミミ(20)を巡って運命を信じる、元水球日本代表のアツシ(30)と、綿密に準備を重ねるダンサーのアル(30)。偶然を大事にするか、それとも確実に動くか……この違いが、恋の行方を大きく左右していく。

 また、俳優のナナミ(25)をめぐる芸人のケンスケ(24)と、俳優・モデルのユウダイ(24)の動き、そして大学生でモデルのショウ(22)の気持ちがミミからブランドプロデューサーのカナカ(25)へ移行するなど、関係性が加速するなかで“好きの定義”も揺れ動く。SNSもLINEもない環境で「どう誘うか」「どう伝えるか」に苦悩する参加者たち。手紙の重みや待ち合わせの難しさ、それらに伴う感情の高まり。スマホがないからこそ生まれる“濃い”恋愛のリアルが、ここにある。

(左)元水球日本代表のアツシ、(右)最年少のミミ(左)元水球日本代表のアツシ、(右)最年少のミミ

 多くの恋愛リアリティ番組では“運命の出会い”が演出されることが多い。大人気の「ボーイフレンド」や「あいの里」でもそうだった。限られた期間と人数、制限された環境下で生まれる“運命”を追い求める。「オフライン ラブ」では、そんな“運命の出会い”を信じるかどうかで、参加者の行動に大きな違いが生まれている。

 アツシは、まさに“運命派”の代表格のような存在。意中の存在であるミミに渡したポストカードの隅には、気づくか気づかないかの小さな文字で「6日目13時」と会う約束を添えていた。それについて、ミミは「前もって会えてなかったら集合場所の確認もできてなかったよ」といった趣旨の発言をしているが、それに対してアツシは「前日に偶然会えたってことは、そういうことなんだよ」とまさに運命を信じる発言をしている。

 一方、アルはその真逆。ミミのためにレストランの下見をしたり、デートプランを考えたり、ステッカーをプレゼントしたりと、とにかく事前の準備と努力を惜しまない。ミミに一途に向き合っている彼は、次に会う約束を取り付けていないと不安な様子。

 スマホ禁止+10日間という限られた時間のなか、本当に有利なのは運命派か、それとも努力派か?運命を待つアツシと、堅実に動くアル。この違いが、最終的にミミの心をどちらへ動かすことになるのか。

“スマホなし”の世界が生む、恋愛の濃度

「オフライン ラブ」の最大の特徴は、スマホなしの環境。デジタルデバイスで空いた時間を埋められない状況は、確実に参加者の恋愛観に影響を与えている。

 アツシとモデルのマホ(30)の会話からは「手紙では気軽に誘えない」「伝え方が全然違う」と、SNS時代とは異なる恋愛の難しさを語っている。LINEやインスタのDMなら簡単に誘えるのに、手紙となると一度しっかり考えなくてはならない。相手に対して慎重にならざるを得ないのだ。

 ナナミもケンスケとの会話で「スマホがないから、いろんな感情に敏感になる」と言っていた。連絡手段が限られることで、より慎重に、より真剣に相手と向き合うことになる。

 しかし、それが必ずしも恋愛にプラスに働くとは限らない。たとえばアツシのように、運命を信じすぎて「手紙という手段を使わずにいる」と、ここぞという大事なときにタイミングを逃してしまうかもしれない。その結果、気持ちを伝える前にタイムアップになってしまうリスクもある。この「オフライン ラブ」は恋愛において、手元にスマホという“気軽な連絡手段”があることは、良い面もあれば悪い面もある……そんな事実に気付かされる旅でもあるのかもしれない。

誰が誰を好き?複雑に絡み合う恋模様

俳優・モデルのユウダイ俳優・モデルのユウダイ

 ショウがカナカに気持ちを向ける一方で、ナナミをめぐるケンスケとユウダイの関係も、揺れに揺れている。

 ショウはDay5の夜、ミミとの夕食を約束していた。しかしカナカとの時間を優先し、ミミとの約束はキャンセル。このときすでに、ショウの心はカナカに向いていたことになる。それは「もうカナカさんしかいない」「どう落とそうか」と発言していることからも明らか。しかしショウとカナカの関係はまだ未知数で、恋愛的な進展があるかどうかは見えてこない。

 さらに5〜6話で気になるのは、ナナミをめぐるケンスケとユウダイの三角関係(?)だろう。ユウダイは、ケンスケとは「恋敵になりたくない」と言いながらも、ナナミへの気持ちを隠しきれていない。二人の男性から思いを向けられている当のナナミ自身は「人を好きになる気持ちがわからない」と言いつつ、自らケンスケをコインランドリーやラーメン屋に誘っている。この行動は、ケンスケのことが好きだという気持ちからなのか、それとも無意識なのか?ナナミの気持ちはまだ定まっていなさそうだ。

 さらにケンスケと俳優のトウコ(24)のワインデートでは、お互いに「ほかに気になる人がいる」ことを伝え合い、恋愛関係ではなく友情が芽生えつつある様子も印象的だった。

 運命か、それとも努力か? スマホなしの影響がようやく出始め、それにより参加者の恋愛に対する価値観の違いも際立った「オフライン ラブ」5〜6話。

 運命を信じるアツシVS 行動するアル、どちらがミミの心を掴むのか? スマホなしだからこそ生まれる“相手への気持ちの伝え方の重み”について、恋の進め方に影響はあるのか? そしてショウ&カナカ、ナナミ&ケンスケ&ユウダイの三角関係はどう動くのか?

 あと数日で決断のとき。運命を待つだけでは終わってくれない。スマホのない世界で、彼らはどうやって“本当に好きな、運命の恋の相手”を見つけ、向き合っていくのか?

【Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」世界独占配信中 (全10話)】

 北村有

ライター。2019年に独立。主に映画やドラマ関連のレビューやコラム、インタビュー記事を担当。主な執筆媒体はtelling, / ぴあWeb / CYZO ONLINE / TRILL / LASISAなど。映画館と純喫茶が好き。

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