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スマホ禁止で恋愛は成立する? Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」1〜2話の恋の行方

2025.3.1 北村有

配信がスタートしたNetflixの恋愛リアリティ番組「オフライン ラブ」1〜2話を考察! スマホやPCなどを持たない10人の男女が運命の出会いを試みる……。

恋のチャンスは“偶然”と“手紙”次第

(左)大学生でモデルのショウ、(右)最年少のミミ(左)大学生でモデルのショウ、(右)最年少のミミ

 2025年2月18日から配信がスタートしたNetflixの恋愛リアリティ番組「オフライン ラブ」。この番組のテーマは“デジタルデバイスなしでの運命の出会い”です。フランスのニースを舞台に、スマホやPCなどを持たない10人の男女が、運命の出会いを試みる……。果たして10日間で心ときめく相手と巡り合い、恋愛状態になれるのか? 番組のコンセプトやキーとなるポイントをまとめながら、1〜2話を考察します。

 スマホを使えない「オフライン ラブ」で恋愛のきっかけを掴むためには、ニースの街中を練り歩いて直接相手と出会うか、手紙をやりとりできるスポット「メゾン・マルゴー」を使うか。この2つしかありません。

 参加者は、生まれたころからスマホやPC、インターネットやSNSがあるのが当たり前の世代ばかり。デジタルデバイスなしで、どれだけ恋心を育めるのか? それがこの番組のポイントになります。

 実際のところ、参加者の一人である俳優のトウコ(24)は初日に誰にも巡り合えず、寂しい思いをしていました。スマホがないためにGoogleマップを見ることもできず、手がかりとなるのは街中にある地図や、番組制作のガイドブックのみ。なんとも不安な状況……。

 ここでちょっとメタ的な見方をしてしまうと、おそらくガイドブックには「ここに行けばほかの参加者がいる可能性が高いかも?」といったふうに、いくつかのスポットが目立つように記載されているはず。ニースにそこまで多くの日本人が歩いているとも思えませんし、カメラを持ったスタッフが近くにいることで、ある程度“察する”こともできたのでは……? と想像しちゃいます。

 初日に誰とも出会えなかったトウコは、2日目、カフェで外を眺めながらほかの参加者を探す作戦に。そのほか、最年少のミミ(20)と大学生でモデルのショウ(22)や、元水球日本代表のアツシ(30)と俳優・モデルのユウダイ(24)など、街中でばったり出くわした参加者もいました。しかし、やはり「離れていてもすぐに連絡が取れるスマホ」が手元にない状態では、コミュニケーションにラグが生まれてしまいます。

ミミの“恋の誘導テク”に脱帽

「オフライン ラブ」1〜2話で目立ったのは、なんといっても最年少の恋愛マスター・ミミのテクニック! 初日、海の近くを歩いていたミミは偶然ショウと出会うのですが、「出会えた!」と無邪気に声を上げながら自然な流れでハイタッチをします。MCの一人である小泉今日子も言っていたように、見た目からして相性の良すぎる二人。限りなく「陽」のパワー全開のミミは、どこから見ても恋愛強者そのものです。

 その後、ミミとショウは二人で食事をします。その間もミミはショウに対して「一目惚れとかするタイプ?」「タイプ何?」と気さくに質問。とりわけミミのテクニックが炸裂したのが2日目、ダンサーのアル(30)と合流してミミ・ショウ・アルの3人になったあとです。

 ショウが「明日雨ですよ」と言ったのに対し、アルが「雨って何するの?」と返していると、ミミがすぐさま「でも雨好き。だって相合傘できるじゃん。そしたらさ、近いじゃん」……。す、すごすぎる。恋愛リアリティに一人はいてほしい、うってつけのタイプすぎませんか。

 アルが「今回の旅のなかで相合傘してえな」と言ったあとも、すかさずショウに視線を送りながら「しますか、一緒に?」と言うミミ。ショウが「(ミミが)ワッフル食べたいとか言っていたから、ワッフル行く?とか思っていたけど」と言ったのに対しても、「ワッフルに行きたいのか、それともミミと一緒に行きたいのか、どっちなんだろ?」とミミの恋愛マスターっぷりは炸裂。そのあとお手洗いに立ち、髪の毛をアップにして帰ってきたりするあたりもあざといテクニック満載です。

 おそらくミミは100%自覚的に技を繰り出しているはずですが、なんとも自然なところが恐ろしい。最初に出会ったショウに運命を感じて突き進むのか、それともショウと手をつないだままアルと相合傘までしてしまうのか……。

「これは運命?」スマホなしで生まれる出会い

(左)芸人のケンスケ、(右)ブランドプロデューサーのカナカ(左)芸人のケンスケ、(右)ブランドプロデューサーのカナカ

 1〜2話の内容は、まだスタートしたばかりというのもあり、奇跡的に初日に出会えた二人(ミミとショウなど)以外はまだ関係性が始まってもいません。そのなかでゆるく動き出しているのは、ブランドプロデューサーのカナカ(25)と芸人のケンスケ(24)、そしてモデルのマホ(30)とユウダイあたりでしょうか。

 カナカとケンスケは、手紙のやり取りができる「メゾン・マルゴー」前で出会います。ニースの現地の人たちとも臆せずコミュニケーションをとるカナカと、「芸人としてがんばっているところでお金がなく、ご飯を食べられるから番組に参加した」というケンスケは、カナカがグイグイとケンスケを引っ張っていく構図がとても良い関係性。翌日もともに調味料や古着を見て回る二人ですが、「他の人にも会えるかも」と言い合って日中に別れる様子も気持ちのいいものです。

 マホとユウダイの出会いは教会。異国の地で、しかも教会という静謐な場所で出会った二人には、自ずと「運命」という言葉がチラついているのでは……? その後、二人は古着屋に行ったり食事をしたり。「運命を信じるか?」と話したり、ユウダイが「チップ制度って好きかも」と言いながらトレイに5ユーロを置いたとき、マホが覗き込みながら「何、置いた?」と確認したりするときの二人の距離の近さは、これから二人の間に恋心が芽生えるのかも……と予感させるに十分です。

 異国の地、スマホなしの恋愛は未知。運命はあるのか、それとも……?

【Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」世界独占配信中 (全10話)】

 北村有

ライター。2019年に独立。主に映画やドラマ関連のレビューやコラム、インタビュー記事を担当。主な執筆媒体はtelling, / ぴあWeb / CYZO ONLINE / TRILL / LASISAなど。映画館と純喫茶が好き。

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