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【冬季うつ】寒い時期… 落ち込んだら「バナナ」「卵」「乳製品」を食べるべき“納得のワケ”とは 【作業療法士が解説】

2025.2.4 奏かえで

今すぐできる冬季うつ対策

日々ほんの少しの行動で気持ちを上向かせられることも

 冬季うつの対策は難しいものではありません。ここでは、すぐに取り組めるシンプルで効果的な方法を紹介します。

 まず、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。積極的に光を浴びることが大切です。日光を浴びるとセロトニンの合成が活発になり、メラトニンの分泌が抑えられて体内時計がリセットされます。これにより、気分が安定しやすくなり、睡眠リズムも整います。日中はなるべく自然光を取り入れたり、短時間でも外に出て散歩したりするのもおすすめです。

 太陽光を浴びるのが難しいときは、朝から日中にかけて室内を明るくし、目から光を取り入れる工夫をしてください。夜は暖色系の間接照明を使い、強い光を避けてメラトニンの分泌を促しましょう。

 また、朝起きるのがつらいときは「光目覚まし時計」を試してみるのも良い方法です。この時計は設定時間に合わせて徐々に光が明るくなり、太陽が昇るような自然な光を再現します。体内時計を整える効果が期待でき、冬の暗い朝でもスムーズに起きやすくなります。

 次に、規則正しい生活と適度な運動を心掛けることです。できるだけ同じ時間に起床、就寝するようにして、規則正しい毎日を送るようにしましょう。寝る時間や起きる時間が日によって違うと、体内時計が乱れ、睡眠リズムが崩れやすくなります。

 加えて、軽い有酸素運動を生活の中に取り入れましょう。ウオーキングやサイクリングなどの有酸素運動をすると、セロトニンの分泌が活発になります。ストレス解消にもつながるため、買い物や通勤ではなるべく歩くなど、日頃から体を動かすことを意識しましょう。

 もう一つは、トリプトファンを意識した食事を取ることです。セロトニンの材料であるトリプトファンは体内で作れないため、食事から摂る必要があります。トリプトファンを多く含むバナナや卵、大豆製品、乳製品などを意識して食べるようにしましょう。

症状がつらい場合は無理せず相談を

 冬季うつの原因と症状、対策について解説しました。もし症状がつらいと感じたり、日常生活に支障が出たりする場合は、一人で悩まずに身近な人や専門家に相談してみてください。

<参考資料>
社会福祉法人恩賜財団 済生会「季節性感情障害(SAD)」
新潟県【魚沼】メンタルヘルスシリーズ第6回 「冬は明るく過ごしましょう-冬季うつ病について-」
厚生労働省こころの耳「業務要因よりも季節性の要因により再燃するうつ病の事例」
立命館保健センター「日照時間とセロトニン」
新潟県【魚沼】メンタルヘルスシリーズ第6回 「冬は明るく過ごしましょう-冬季うつ病について-」
前村浩二「生体リズムの乱れを調整する3要素(光 ,食事,メラトニン)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
Royal College of Psychiatrists「季節性感情障害 (SAD)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
スポーツ庁 DEPORTARE「数字で見る! スポーツで身体に起こる気になる「6」つのデータ」
小西正良 吉田愛実「セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境」

ファイナンシャル・プランナー、作業療法士、ライター 奏かえで

健康・マネー系ジャンルを中心にライターとして活動。現役の作業療法士で回復期病棟を経験しつつ、介護老人保健施設に10年以上勤務。ファイナンシャル・プランナー(FP)・簿記の資格を持ち、新旧NISA・iDeCoへの長期投資を継続中。専門性を生かした記事執筆が強み。

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