【旬のブドウ】皮に付いてる「白い粉」食べても大丈夫? そもそも皮は食べない方がいい? 【栄養士が解説】
2024.10.11 野村ゆき
夏から秋に旬を迎える果物、ブドウ。その栄養や豆知識を解説します。

夏から秋にかけて旬を迎えるブドウ。ブドウ狩りを楽しむ人も多いのではないでしょうか。ブドウは世界で1万種以上の品種があるとされ、日本でも巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカットなど多彩な品種が出回っています。この記事では、ブドウの栄養についてクローズアップします。
ブドウの甘みには即効性の高い体力回復パワーあり

ブドウの主成分は、ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などの糖類です。そう聞くと「太りやすいのでは?」と心配になるかも知れませんが、カロリー(エネルギー量)はデラウェア1房(果皮・種子を除いた正味重量85g)あたり49kcal。粒が大きめの巨峰で1粒(果皮・種子を除いた正味重量16g)あたり9kcalです(※1)。食べ過ぎない限り、心配しなくてもよさそうですね。むしろ、ブドウ糖や果糖は体内で素早くエネルギー源になるため、疲労回復の効果が期待できます。
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(※)参照:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部より
皮に含まれる多様なポリフェノールに注目

ブドウの皮には、黒系(巨峰など)、赤系(デラウェアなど)、緑系(マスカットなど)がありますが、色の違いは皮に含まれるポリフェノールのアントシアニン(色素成分)の量によるもの。がんや動脈硬化などの生活習慣病を招く活性酸素を抑える働きがあり、皮が黒や赤の品種に多く含まれています。
ほかにも、皮には渋みの元でもあるタンニンや強力な抗酸化作用のあるレスベラトール、種子にOPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)など多様なポリフェノールが含まれています。皮ごと食べるか、皮ごと口の中に入れて口の中で皮を噛み締めるようにして果肉を押し出して食べるのが栄養面ではおすすめ。ミキサーにかけて皮ごとジュースにしたり、皮ごと食べられる品種を選んだりすると、ポリフェノールを余すことなくいただくことができます。
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。
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