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【SNS発】はびこる差別感情、カジュアルに「保育園卒」「九州出身」「非iPhone」差別… なぜ?

2024.10.3 LASISA編集部

幼少期、幼児にまで向けられる“差別”の目

 このように、特定の属性を理由とした他者への差別感情をあらわにする事例は、ほかにも数多く見られます。例えば、保育園に通っていた経歴を表す「ホイ卒」というスラング。

 小学校就学までの幼児教育を担う幼稚園と、働く保護者に代わって乳幼児を預かる保育園(保育所)。その違いを捉えて、保育園に通っていた人は両親が共働きしなくては家計が回らなかった家庭の子、つまり幼稚園卒と違って、貧しく育ちの悪い生い立ちだとのニュアンスが込められています。

 男女雇用機会均等法が施行されて約40年、また男女平等やSDGsが盛んに言われるようになった現代においても、「女性が働きに出る」すなわち「家計が苦しい」という考えを持つ層は一定数いるようです。待機児童が社会的な問題になって十数年が経過した2024年現在においてもなお、です。

使用スマホ、年齢、性別まで“差別”の対象に

 他にも、スマートフォンの国内シェアの約7割をiPhoneが占めていることから、Android端末を使っている人は「変人で、周囲に合わせられないタイプだから婚活では避けろ」。携帯電話(スマホ)の番号が「090」から始まる人は「中年以上のジジイかババア」、いやむしろ、アプリ機能での連絡が主流になった今「そもそも番号なんて意識していること自体が年寄りの証拠」。「年寄りは老害」。「チビは攻撃的」。「性犯罪者のほとんどが男。つまり男は全員、犯罪者予備軍」。「DVで逮捕される男が多いのは、女が暴力を振るう男を好きだから」……など、枚挙にいとまがありません。

※ ※ ※

 これらの言説を並べることで明らかになるのは、何らかのきっかけで、もしくは誰かの思いつきによって、どのような属性であっても容易に“被差別対象”になり得るということです。

 自身が被差別対象になって初めてその醜さに気付くのは、遅きに失するかもしれません。しかし今、露悪を競い合うようかのようにカジュアルに差別感情を披露し合うSNSについて、立ち止まりそのあり方を考え直すユーザーが増えることを願います。

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