【SNS発】はびこる差別感情、カジュアルに「保育園卒」「九州出身」「非iPhone」差別… なぜ?
2024.10.3 LASISA編集部
SNSではしばしば、むき出しの差別感情に出くわすことがあります。その露悪の広がりは現状、とどまるところを知らない様相です。
さまざまな「差別」はびこる、なぜ蔓延(まんえん)?

SNSではときに、人々の驚くような「差別感情」を目撃することがあります。リアルなコミュニケーションにおいては耳にする機会はおそらくない、暴力的思考が公然と語られるネットの匿名空間では、誰しもが差別者に、そして被差別者になる危険をはらんでいます。
「あーやっぱりね」……。そんな一言にスクリーンショット画像を添えた投稿が2024年10月2日、X(旧ツイッター)で3万件以上の“いいね”を獲得しました。
スクショ画像は先月、交際相手の女性に暴行を加えた容疑で逮捕された人気YouTuber男性のプロフィル。出身地欄の「福岡県××市」という項目に赤い下線が書き加えられています。
Xではかねて「九州地方は男女差別が激しい」との言説が流布されており、上記の投稿は、今回の事件で逮捕されたYouTuberが九州出身だったことを強調するもの。このような事案に結びつけ、「さすが九州」を意味する「さす九」というネットスラングまで登場しました。
デジタル大辞泉(小学館)によると差別とは「取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと」とあり、また国連の「世界人権宣言」第2条には「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的もしくは社会的出身、財産、門地その他の地位またはこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく(後略)」とあります。同様の定めは日本国憲法第14条「法の下の平等」にも明記されており、出身地をもって他人へのジャッジを下す行為が明らかな差別であることは論を待ちません。
しかしX上では「自分もかつて九州の男にひどい目に遭わされた。同じ被害者が出ないよう注意喚起しているまでだ」といった趣旨の、開き直りとも取れる“反論”まで見られる状況です。
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