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健康にいいのはわかるけど…厚労省の目標《野菜1日350g以上》って実際どのくらい? 栄養士ライターが解説

2024.9.5 野村ゆき

「野菜を1日350g以上食べましょう」というフレーズを耳にしたことはありませんか。「野菜350g」は、厚生労働省が健康維持のための目標の1つとして掲げている野菜摂取量です。この記事では、野菜を350g食べると良い理由、どれくらい食べれば目標量をクリアできるのか栄養士ライターが解説します。

野菜を1人1日350g食べることが推奨されている理由は?

▲野菜が健康に良いことは知っていても、十分な量を食べられていますか?▲野菜が健康に良いことは知っていても、十分な量を食べられていますか?

「野菜を1日350g以上食べましょう」というフレーズを耳にしたことはありませんか。これは厚生労働省が健康維持のための目標の1つとして掲げている野菜摂取量です(※1)。でも、「野菜350g」と言われても、あまりピンときませんよね。この記事では、野菜を350g食べると良い理由、どれくらい食べれば目標量をクリアできるのか解説したいと思います。

 ところで、なぜ「350g以上」の野菜が必要なのでしょう。それは、野菜に多く含まれるカリウム、食物繊維、抗酸化作用のあるビタミン(A・C・Eなど)を「適量摂取できている」と期待できる量が350g以上と考えられているからです。

 日本人が食事から1日どれくらいのエネルギーや栄養素を摂ればOKかを示した『日本人の食事摂取基準』があるのですが、その目標に近づけるために「野菜1日350g以上」食べるのが理想的とされています。ですが、厚生労働省の『令和元年国民健康・栄養調査』によると、20歳以上の野菜摂取量の平均値は男性288.3g・女性273.8gで、特に20~40代に野菜不足の傾向があります(※2)。

 生活習慣病の予防や改善を助ける栄養成分が野菜には詰まっているカリウムは余分なナトリウム(食塩)を体外に排出する手助けをするため、高血圧の予防につながります。

 また、食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく糖質の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を抑え、コレステロールを吸着して便として排出するなど肥満や糖尿病の予防・改善の効果が期待できます。

 そして、抗酸化作用のあるビタミンは、がんや老化、免疫機能の低下などの原因となる活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする働きがあります。

 カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンを含む野菜を1日350g以上食べることは、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の発症リスクを軽減させることにつながるわけです。

【次ページ】野菜350gってどれくらい? 野菜ごとの目安量を知っておこう

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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