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【スイカ】食べるべき?皮の下の“白い部分”…赤い部分との栄養の違いは?栄養士ライターが解説

2024.7.30 野村ゆき

暑い夏に口の渇きを潤してくれる「スイカ」。約90%が水分と言われていますが、栄養はあるのでしょうか。この記事では、そんな疑問に迫ります。

スイカの栄養を詳しく解説

▲赤い果肉にリコピンとカロテンが豊富に含まれています▲赤い果肉にリコピンとカロテンが豊富に含まれています

 暑い夏に口の渇きを潤してくれる「スイカ」。約90%が水分と言われていますが、栄養はあるのでしょうか。この記事では、そんな疑問に迫ってみたいと思います。

 スイカの約90%が水分というのは事実で、一度にたくさん食べられることから夏場の水分補給に重宝されています。カリウムを多く含むため、利尿を促して老廃物を排出し、むくみを解消する働きがあります。また、スイカの赤い果肉には抗酸化作用のあるリコピン(リコペン)とβ(ベータ)-カロテンが含まれ、特にβ-カロテンは緑黄色野菜に匹敵するほどです(※1)。

(※1)参照:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』より/すいか 赤肉種 生:可食部100gあたりのβ-カロテン当量830μg (マイクログラム)

スイカの白い部分の栄養は?

▲食べた後のスイカの皮下の部分により多くのシトルリンが含まれています。浅漬けに活用を!▲食べた後のスイカの皮下の部分により多くのシトルリンが含まれています。浅漬けに活用を!

緑と黒のシマ模様をした皮の下の白い部分に、アミノ酸の一種であるシトルリンがより多く含まれ、血流の改善や血管を強くする働きが注目されています。食べ終わったスイカの皮を捨てるのは、実はもったいない! かたい外皮だけを取り除き、塩漬けにすると、さわやかな風味の浅漬けが簡単に作れますよ。

スイカの黒いタネにも、栄養がある!

▲スイカのタネにも栄養はあります。乾燥させて食べる手間を考えると現実的とは言えませんが…▲スイカのタネにも栄養はあります。乾燥させて食べる手間を考えると現実的とは言えませんが…

 スイカを食べながらタネをプププッと飛ばす情景も夏の風物詩ですが、そのスイカの種子にも実は栄養があります。必須脂肪酸のリノール酸、マグネシウム、リン、モリブデンなどのミネラルが含まれています。東南アジアではスイカの種子を食べる習慣がある国も。フライパンなどで煎って乾燥させ、軽く噛んで黒い皮の中にある薄黄色の部分を食べるそうです。興味がある人はお試しを。

スイカはよく冷やして食べると甘みがアップ

▲スイカを切るときは中心から放射状に切ると写真のような四角すい状に。甘みも偏らず平均的に感じられます▲スイカを切るときは中心から放射状に切ると写真のような四角すい状に。甘みも偏らず平均的に感じられます

 スイカは冷やすと甘みが強くなる性質がある果糖(フルクトース)が多いため、冷やして食べるのが正解です。また、微量の食塩を振って食べると「味の対比効果」で通常より甘みを強く感じやすくなります(とはいえ、塩分の摂りすぎには気をつけてください)。なお、甘みが強いのは果肉の中央部、ツルが付いていた果頂部の近く、タネのまわりです。ご参考まで!

※杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、三輪正幸監修『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店,2015、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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