【家賃の値上げ】“拒否できる”は本当か? ずっと拒否してたら「追い出される」のか? FPが解説
2024.7.26 奏かえで
値上げを拒否し続けるとどうなるのか?

「家賃の値上げに応じないと、無理やり追い出されてしまうのでは?」。そう不安に思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、借主は借地借家法によって保護されているので、基本的に貸主は借主を強制的に立ち退きさせることはできません。
貸主が借主に立ち退きを要求できるのは、主に次の場合です。
(1)長期間の家賃滞納など、契約違反を借主が行った場合
(2)正当事由(立ち退きを要求する理由が正当と認められるもの)であり、契約満了の1年前から6か月前までの間に通知を行った場合
ちなみに、(2)のように貸主の都合で立ち退きしなければならない場合は、貸主に立ち退き料を請求できます。
ここで気になるのが、正当事由とはどんな理由か? です。
「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」によると「個別具体的な検討が必要」とあり、専門家でないと判断は難しいでしょう。しかし「家賃の値上げに応じない」ことは正当事由に該当しません。そのため、家賃の値上げに応じないからといって立ち退きを強制されることはないのです。
例外として定期借家契約の場合は、家賃の値上げに応じないと契約満了とともに退去を余儀なくされることがあります。
定期借家契約とは契約時に入居期間が決められているものですが、多くは2年ごとなどで更新される普通借家契約です。自分の契約が入居期間が定められているタイプか、更新されるタイプか契約書を確認してみましょう。
ファイナンシャル・プランナー、作業療法士、ライター 奏かえで
健康・マネー系ジャンルを中心にライターとして活動。現役の作業療法士で回復期病棟を経験しつつ、介護老人保健施設に10年以上勤務。ファイナンシャル・プランナー(FP)・簿記の資格を持ち、新旧NISA・iDeCoへの長期投資を継続中。専門性を生かした記事執筆が強み。
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