【新しょうがの甘酢漬け】仕込みは「切る・ゆでる・漬ける」の3ステップで完了! ピンク色の発色がきれいな“自家製ガリ”の作り方を栄養士ライターが伝授
2024.6.15 野村ゆき
6月15日は「しょうがの日」。2009年5月に「永谷園」によって制定されました。今回は、旬の「新しょうが」を甘酢に漬け込んだ“自家製ガリ”のレシピを紹介します!
6月15日は「しょうがの日」
6月15日は「しょうがの日」。2009年5月に「永谷園」によって制定されました。「しょうがの日」の由来は毎年6月15日に実施される「はじかみ大祭」と言われています。しょうがの古名である「はじかみ」にちなんで、波自加弥(はじかみ)神社(石川県金沢市)では、しょうがを祭る催事が行われているそうです。また、しょうがは体に良いとされ、古くから生活に取り入れられている食材のひとつ。冷えに悩む女性や健康意識の高い人は日々の食生活にしょうがを取り入れている人も多いでしょう。
今回紹介する「新しょうが」は、通年を通して手に入る黄金色の根しょうがと違い、色白で初夏までの季節限定。そんな旬の「新しょうが」を甘酢に漬け込んだ“自家製ガリ”は、そのまま箸休めに食べてよし、お寿司などの添えものによし。冷蔵庫で長期保存が可能で、今の時期に多めに作っておくと重宝します。今回は筆者が栄養士養成校で教わった「新しょうがの甘酢漬け(自家製ガリ)」のレシピをご紹介します。材料は、新しょうがと調味料3つだけ。手順も簡単なので、ぜひお試しを!
※ ※ ※
新しょうが甘酢漬け(自家製ガリ)の作り方
【材料】
・新しょうが:300g
<甘酢液>
・酢(米酢や穀物酢):200cc(1カップ)
・砂糖:45g(大さじ5)
・塩:3g(小さじ1/2)
【作り方】
(1)新しょうがは皮をむかず、表面を水洗いする(汚れた皮があれば、その部分だけ包丁またはスプーンでこそげるように取り除きます)。ピンク色の部分は、できるだけ残す方が仕上がりの色が美しくなります。
(2)しょうがの繊維に沿って(タテ方向)2ミリ程度の厚さに切り、すぐに水に入れ、10分くらい水にさらしてザルにあげます。
(3)多めの湯を沸かし、熱湯にスライスした新しょうが(2)を入れて1~2分ゆで、おおきめのザルに取って水気を切ります。できるだけ大きく広めのザルにあげ、冷ましながら水気をとばしましょう(目安は30分以上放置)。
(4)新しょうがを冷ましている間に「甘酢液」を作ります。鍋に酢・砂糖・塩を入れ、ひと煮立ちさせて酢のツンとした香りをとばし、火を止めて粗熱を取ります。なお、このレシピに限らず、酢を加熱する料理では、ホーロー・ステンレス・樹脂加工の鍋または土鍋がおすすめ。アルミや鉄、銅の鍋は酢の酸で傷む可能性があるため避けましょう。
(5)清潔な保存容器(密閉できるガラス瓶がおすすめ)に、冷めて水気が切れた新しょうがを入れ、甘酢液を瓶の口近くまで注ぎ入れたら仕込み完了です。半日後から食べられます!
なぜピンク色になるの?
収穫から日が経っていない新しょうがには天然色素のアントシアニンが含まれ、下ゆで後に甘酢液に漬けると酢によってpH(ペーハー)が低下して酸性となり、全体が淡いピンク色に変化します。これは新しょうがならではの化学反応で、黄金色の根しょうがを甘酢漬けしてもピンク色には染まりません。
また、酢の働きでpHが低下すると微生物の発育が抑制されて保存効果が高まるメリットも。冷蔵庫で保存し、取り出す際に清潔な取り箸を使うなど雑菌が入らないよう注意すれば、半年程度の保存が可能です(筆者の実感値)。
新しょうがの甘酢漬け活用方法
●そのまま箸休めに
お寿司のガリとしてはもちろんのこと、カレーとの相性も抜群です。らっきょうや福神漬けの代わりに添えれば、さわやかな箸休めに。
なお、食べ進むうちに瓶に残ってしまう甘酢液は、酢のものやドレッシングなどに再利用すると新しょうがの香りがほんのり移り、やわらかな酸味に仕上がります。炭酸水やハチミツを加えて即席ジンジャードリンクとして楽しんでも◎。ムダなく使い切ってくださいね。
●魚や肉とのペアリング
甘酢漬けのガリを豚肉の薄切り肉で巻いて炒めたり、ちくわやかまぼこで挟んで食べてみたり。それだけで一品や、お酒のおつまみになります。
※参考文献:谷口亜樹子編著『食品加工学と実習・実験 第2版』光生館,2020、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。
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