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【旬の新しょうが】根しょうが・葉しょうがとの違いは?栄養ポイントは? 栄養士ライターが解説

2024.6.12 野村ゆき

梅雨時期から夏にかけて、期間限定で出回る「新しょうが」。黄金色のゴツゴツした根しょう(ヒネしょうが)と違い、ほんのりピンク×色白でシュッと細身な見た目が印象的です。この記事では、新しょうがと根しょうがの味や栄養の違いに注目します。

しょうがの種類は「根しょうが」「新しょうが」「葉しょうが」

 しょうがの種類には、大別すると「根しょうが」「新しょうが」「葉しょうが」があります。この3種類は同じもので、春に種として植え込んだ「根しょうが(種しょうがとも呼ぶ)」からコブのように分かれて新たに育ったものが「新しょうが」で、梅雨ごろから初夏が旬。新しょうがの根茎が若いうちに早摘みしたものが「葉しょうが」、新しょうがを収穫後に数カ月貯蔵したものが「根しょうが(ヒネしょうが、土しょうがとも呼ばれます)」です。つまり、根しょうが→葉しょうが→新しょうが→根しょうがの収穫サイクルで、年中出回っていることになります。

見た目と味の違いは?

それぞれの見た目と味の違いは以下の通り。

●葉しょうが

▲葉付きの状態で出回る「葉しょうが」。「谷中しょうが」が有名です。▲葉付きの状態で出回る「葉しょうが」。「谷中しょうが」が有名です。

新しい根が小指ほどの若いうちに葉付きのまま収穫したもの。みずみずしく、辛みが少ないのが特徴。葉の部分を切り、下ゆでして味噌(みそ)をつけて食べたり、豚肉を巻いて炒めたりしてもおいしい。

▲「芽しょうが」の甘酢漬けとして有名なのが“はじかみ”。▲「芽しょうが」の甘酢漬けとして有名なのが“はじかみ”。

 なお、さらに若いうちに日覆いをして軟白栽培したものを「芽しょうが(筆しょうがの別名も)」と呼び、甘酢漬けの“はじかみ”によく利用されます。

●新しょうが

▲繊維がやわらかく、みずみずしい状態で出荷される「新しょうが」。トゲのない白いサボテンのような見た目がどこか愛らしい印象。▲繊維がやわらかく、みずみずしい状態で出荷される「新しょうが」。トゲのない白いサボテンのような見た目がどこか愛らしい印象。

新しい根が白くぷっくりと肥大し、先の方は鮮やかな紅色をしています。収穫してすぐに出荷されるため水分が多めで、おだやかな辛み。根をスライスして天ぷらにしたり、針しょうが(極薄せん切り)にして炊きたてのごはんに混ぜても。アントシアニン色素が含まれていて、甘酢漬けにすると美しいピンク色に発色します。食品成分表では根しょうがよりも、体内の水分調整や細胞の成長やホルモン生成を助ける働きのあるミネラル(カリウム、亜鉛、マンガン)が多め。

●根しょうが

▲香りと辛みが薬味として大活躍の「根しょうが」。全体がふっくらしていて重みがあり、スジが等間隔なものを選ぶと◎。▲香りと辛みが薬味として大活躍の「根しょうが」。全体がふっくらしていて重みがあり、スジが等間隔なものを選ぶと◎。

 寝かせることで水分が抜け、黄色が濃くなり、辛味もアップ。せん切りやみじん切り、すりおろしなどを料理に少し加えるだけで、いろいろな食材の臭みを消したり、うまみを引き立てる香りづけに。新しょうがと比較すると、三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の代謝を助け、疲労回復を促すビタミンB群が豊富で、食物繊維やうまみ成分であるアミノ酸(アスパラギン酸やグルタミン酸)も多め。

しょうがに共通する香りと辛み成分のメリット

新しょうがと根しょうがの栄養比較新しょうがと根しょうがの栄養比較

 しょうが特有の個性は、食欲をそそる香りとパンチのある辛み。主な香り成分は「ジンギベレン」で食欲増進を促します。辛み成分は「ジンゲロール」「ショウガオール」などで、ジンゲロールは生のしょうがに含まれる成分、加熱したり乾燥させたりすると一部がショウガオールに変化します。食品の生臭みを消す作用のほか、殺菌作用や血行を促して体をあたためたり、胃液の分泌を促進して消化を助けたりする働きがあります。香りと辛味成分は細かく刻んだり、すりおろしたりするほど効果が発揮されやすいと言われています。

▲しょうが料理の定番の一つ、豚のしょうが焼き。肉の臭み消しや食欲増進に、しょうがが一役買っています。▲しょうが料理の定番の一つ、豚のしょうが焼き。肉の臭み消しや食欲増進に、しょうがが一役買っています。

 なお、新しょうが・根しょうがの香り成分と辛み成分の含有量の差は、食品成分表には記載がありません。一般的には、貯蔵させる根しょうがの方が辛み成分は強いと考えられています。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、主婦の友社編『名前がわかる!フルーツ&ベジタブル図鑑』主婦の友社,2018、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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