【アスパラガスの種類】育ち方でグリーンとホワイトの色が決まる? 栄養や味にも影響がある? 栄養士ライターが解説
2024.5.20 野村ゆき
春から夏にかけて旬の野菜として人気の「アスパラガス」。よく目にするグリーンアスパラガスのほかにも、ホワイトや細短いミニアスパラガス、レアな紫アスパラガスなどがあります。この記事では、アスパラガスの種類や色による味や栄養の違いなどを解説します。
アスパラガスの種類と栄養の違い
春から夏にかけて旬の野菜として人気の「アスパラガス」。よく目にするグリーンアスパラガスのほかにも、ホワイトや細短いミニアスパラガス、レアな紫アスパラガスなどがあります。この記事では、アスパラガスの種類や色による味や栄養の違いなどを解説します。
●グリーンアスパラガス
最も流通量が多く、ポピュラーなアスパラガス。茎の鮮やかな緑色は、日光によくあたって育てられた証し。適度な甘みと香り、歯ごたえがあり、苦味がほとんどなく、幅広い料理に使いやすいのが特徴です。脂溶性のβ-カロテンを多く含む緑黄色野菜(※1)に分類され、バターや油、豚肉などとの相性が抜群です。また、後述するホワイトアスパラガスよりも栄養価が高く、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カリウムが多く含まれています。
●ホワイトアスパラガス
穂先から根元まで真っ白ですが、もとはグリーンアスパラガスと同じ品種。栽培時に土寄せ(土をたっぷりかけること)や遮光フィルムで日光をあてずに育てることで、白くなります。そのため、カロテンが合成されず、淡色野菜に分類されています。また、ストレスのかかる環境で育つため防御成分(サポニンの一種)による、ほのかな苦味が残りやすいのもグリーンアスパラガスにはない特徴。持ち味である白さを活かしたい場合は、お湯にレモン汁やレモンの輪切りを加えてゆでると美しく仕上がります。
●ミニアスパラガス
グリーンアスパラガスを10センチ程度の長さで若採りしたもので、茎も細め。若いうちに収穫するため柔らかく、根元の皮をむく手間が不要。火の通りが早く、そのままサッとバターや油で炒めて食べられます。ゆでずに調理可能なため、グリーンアスパラガスに含まれる水溶性の栄養成分(ビタミンC、葉酸、カリウム)の流出が少ない点もうれしいポイント。なお、流通量は少ないですが、ホワイトアスパラのミニ版も栽培されています。
●紫アスパラガス
グリーンアスパラガス、ホワイトアスパラガス、ミニアスパラガスとは異なる品種。色素成分でポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含み、ゆでると濃い緑色に変化します。ゆでる際にレモン汁や酢を加えると紫色を保ちやすくなります。食感がやわらかくて甘みがあり、鮮度がよいものは穂先部分を生のまま食べることもできます。まだまだ流通量が少ないレアなアスパラガスで、出合えたらとてもラッキーです。
(※1)緑黄色野菜は可食部(食べられる部分)100gあたり600μg以上のカロテンを含む野菜の総称。グリーンアスパラガスに含まれるカロテンは100gあたり380μg(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)と基準を満たしていませんが、食べる頻度や量を多く食べられることから緑黄色野菜に分類されています。
グリーンとホワイトで味や香りは違う!?
ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスの両方が手に入ったので、味と香りの違いを比べてみました。生の状態だとグリーンの方が香り高く、ホワイトは香りをほとんど感じませんでした。蒸し焼きにすると、歯応えと香り高さはグリーンアスパラガス、甘みとジューシーさはホワイトアスパラガスに軍配ありと感じました。どちらも、おしいです!
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。
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