5月に増える【5月病】睡眠に関係?対策は良質な睡眠の確保&メンタルの安定 医師が解説
2024.5.7 LASISA編集部
5月に向けてリスクが高まるのが、やる気や気力が低下し、ひどい場合には深刻なうつ病につながることもある「5月病」。五月病を防ぐためにはどのような対策があるのでしょうか?
やる気や気力が低下、時にはうつにもつながる「5月病」とは
グローバルファーニチャーブランド「ZINUS(ジヌス)」の日本法人ZINUS JAPANが、2024年4月、全国の20代~70代の男女1200人を対象に、「新年度・新入学・新入社・部署異動・転職などで新しい環境に変わった際に、『睡眠の質が落ちた』と感じた経験がありますか?」というインターネット調査を行いました。
調査では、ほぼ半数の48.8%の人が「ある」ないしは「どちらかといえばある」と回答しました。生活リズムも変わり、心身にストレスがかかる新しい環境では、睡眠の質の低下を実感する人が少なからずいることがわかります。
5月に向けてリスクが高まるのが、やる気や気力が低下し、ひどい場合には深刻なうつ病につながることもある「5月病」。精神科医で市川メンタルクリニック院長の芦澤裕子先生によると、5月病のリスクと睡眠の間にも密接な関わりがあるそうです。良質な睡眠を確保するためにできる対策を、精神科医の芦澤裕子先生が解説しました。
「5月病」とは?原因は?
「5月病」とは、医学的には「適応障害」「うつ病」と診断されることが多い抑うつ症状を呈する状態のこと。
「新生活の環境の変化による精神的、ないしは身体的なストレスや疲労のために脳がうまく働かず、精神的に不安定になったり、ぼんやりとしてしまったり、無気力になるなどの症状が出ることがあります。意外なことに、新しい環境に馴染めない、といったネガティブなストレスに限らず、志望通りの進学・異動・昇進などのポジティブな変化によっても起こることがあります。環境の変化をはじめとする明らかなストレス要因に起因し、そのことについて思い詰めて、夜きちんと眠れずに心身が疲労していくという悪循環が『5月病』につながることも考えられます。
睡眠の量や質が落ちると、身体組織の疲労回復に支障をきたします。精神的なコンディションを司る自律神経や脳神経も細胞ひとつひとつからできているので、栄養や酸素が細胞にいきわたっている状態を作ることが重要なのですが、睡眠がきちんととれないことでこれらが上手に機能しなくなるリスクがあります。
メンタルの安定のためには自律神経や脳神経の細胞にきちんと栄養や酸素が行き渡ることも重要です。入眠しやすく、肉体の疲労がしっかり取れる寝具の環境づくりも軽視できません」(以下「」は芦澤先生)
●枕の選び方
「枕は“寝返りのうちやすさ”が選ぶ基準。寝返りは質の高い睡眠には不可欠なものです。同じ姿勢のまま固定されてしまうと血流が悪くなってしまいますが、寝返りを打つことで身体の血行が促進されます。また、寝具の中の温度・湿度を調節するというメリットも」
「理想の枕は、横になったときにおでこ、鼻、鎖骨を結ぶラインが一直線になる高さであること。多くの人が想像する枕より平たく低い枕のほうが寝返りを妨げません」
●眠る空間について
「照明は真っ暗ではなく、ちょっとカーテンから光が透けるくらいの暗さが理想的です。シーツや枕カバーなどの寝具は、目で見て安らぐ薄い色の、ブルー系かグリーン系の綿やシルクなどの天然素材のものを使用しましょう。吸汗性があまり高くないシーツだと、かいた汗が吸収されず、不快感に繋がり睡眠の質を下げてしまいます」
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