「手はお膝」「壁ぺったん」は【不適切保育】なの?おばけ、鬼などを使えば“脅し”?賛否分かれる「望ましくない関わり」現場の捉え方
2024.3.18 LASISA編集部
「今日は良い子で過ごせたね」の声かけは「望ましくない」?
「『“今日は”良い子で過ごせたね』と子どもに声を掛けることは『こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり』に当たると思いますか」という質問に対し、「はい」が72%、「いいえ」が28%という結果でした。
「はい」と回答した人は理由に、
「今日はというのが子どもにとってプレッシャーになりそう」
「何をもって良いとするのかの基準が示されていないから」
「定義が曖昧」
「ただその子らしくいることを否定している感じがするから」
などを挙げました。
一方「いいえ」と回答した人は、理由に、
「褒めることは子どもの成長に繋がる」
「い子でいなければいけないと言う価値観の押し付けはNGだが、その子の行動を評価すること自体は問題ない。良い悪いという言葉に固執しだすと言葉狩りになる。事実を伝える気表現法として受け取れる関係性や信頼関係の問題だと考える」
「今日の一日の振り返りなどから会話が生まれて派生させることで語彙力が伸びる」
「人格形成によくない影響を及ぼすことと人権侵害はイコールではないと思うから」
などの意見が挙げられました。
最近、給食時の「完食指導」についてさまざまな議論がされています。
「給食時、子どもの成長を想い、嫌がっている食材も残さず食べさせることは『こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり』に当たると思いますか」という質問に対し、「はい」と回答した人は72%でした。
最後に、勤め先の保育園について「『こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり』に対処するための十分な支援や機会が提供されているか」について、「非常にそう思う」が28%、「ややそう思う」が49%という結果でした。
保育の現場のアップデートだけでなく、周囲の支援強化を
調査を行った「子ねくとラボ」は、「『不適切な保育』と『望ましくないかかわり』の違い、そして具体的には何がその行為に該当するのか、今回の調査でも、賛否が分かれる結果となりました。
意見は違えど、日常的に子どもと関わる中で、保育士が子ども一人ひとりの意思を尊重し、成長を支える環境づくりに注力していることが伺えます。
子育て・保育を取り巻く環境や価値観が日々変化する中、虐待や虐待等に繋がる行為を起こさないためにも、保育の経験年数や役職・年齢に関係なく保育士側の情報アップデートや互いの保育に関するフィードバックの機会が重要なアクションとなりますが、周囲がその支援を強化することも求められているのではないでしょうか」と分析しています。
※こども家庭庁|保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/13e273c2/20230512_policies_hoiku_3.pdf
recommend
こちらもおすすめ