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文末の『。』は怖い?冷たい? Z世代に嫌われる“マルハラ”って何!?

2024.3.8 渡邊倫子

“マルハラスメント”通称“マルハラ”が話題になっています。若者世代は威圧感を感じると言いますが、送り手には無意識であることがほとんど。なぜそのような誤解が生じてしまうのか。

“マルハラスメント”略して“マルハラ”とは?

“マルハラスメント”略して“マルハラ”とは?“マルハラスメント”略して“マルハラ”とは?

 世間をちょっとざわつかせている“マルハラ”という言葉を知っていますか? “マルハラ”は、“マルハラスメント”の略称。少し前にTV番組で取り上げられ、SNSでは賛否が分かれ話題になっている言葉です。

 “マルハラスメント”通称“マルハラ”とはLINEなどのSNSでメッセージのやり取りをする際、文末に『。』を付けることで、読み手に「怖い」「冷たい」「威圧的」などといった感情を与えてしまうハラスメントのこと。といってもメッセージの送り手にそんなつもりはなく、受け取る側の勝手な解釈なのですが……。

送り手と受け手のスタンスが原因?

 では、なぜそのような誤解が生じてしまうのか。原因は送り手と受け手の、メッセージのやり取りに対するスタンスの違いにあるようです。

 まず、文末の『。』に違和感を感じない人(=送り手)と感じる人(=受け手)の違い。それは、いわゆる“ガラケー”でメールのやり取りをしてきた世代と、スマホでLINEやInstagramのDMなどのやり取りをしてきた世代の違いです。

 ガラケーでメールの文章を打つのに慣れている人は、手紙のように1通であいさつから要件まで全てを送る傾向があります。

例えば、

『おつかれー(*^-^*)今日話していたご飯、いつにする?どこか行きたいお店とか、食べたいものある(*^^*)?私も何か探しておくね?』といった具合に……。

相手が読みやすいように当たり前に句読点は使うし、顔が見えない、声が聞けないメールなので、余計な誤解を生まないよう、明るく元気な絵文字や顔文字も多用します。

 一方、スマホのLINEやInstagramのDMでのやり取りに慣れている人は、それらをチャットのように使います。スピーディーなやり取りを好むので、相手を待たせないよう『、』や『。』が入るタイミングで、どんどん相手へ送ってしまいます。

例えば、

『髪切りすぎた』
『明日』
『学校』
『で』
『会うの』
『恥ずかしい』といった具合に。

『、』の前どころか単語で送ることも珍しくありません。もちろん『。』は時間短縮のため、付けません。

 つまり、『。』を付ける人は、「相手に読みやすい文章を」という気遣いから『。』を付け、『。』を付けない人は「相手を待たせないように」という気遣いから『。』を付けないのです。

 どちらもその習慣に慣れてしまっているため、『。』を付ける習慣の人は『。』のない文章に違和感を、『。』を付けない習慣の人は『。』のある文章に違和感を感じてしまいます。そのため、送り手の、読みやすい文章をという気遣いの『。』にも勝手に意味を見出し、「終了の『。』だ!」→「言い切られた」→「この先の会話を遮断された。」→「怖い。冷たい」という考えにまで発展させてしまうのではないでしょうか。

次は……「わからない…」“マルハラ”に対する本音チラリ

 渡邊倫子

女性誌、フリーペーパーをへて、現在はウェブを中心にライターとして活動中。プライベートでは、女の子1人、男の子2人のママ。

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