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キャベツと芽キャベツの違いは?それぞれの栄養&おすすめの食べ方を栄養士ライターが解説

2024.2.28 野村ゆき

ずっしり大きなキャベツと、ミニュチュアのようにコロンと愛らしい芽キャベツ。その違いをご存知でしょうか。芽キャベツは、キャベツの若い芽と勘違いされやすいのですが、実はキャベツとは異なる品種。この記事では、キャベツと芽キャベツの違い、栄養面の注目ポイントなどについて解説します。

キャベツと芽キャベツの違いは?

▲キャベツと芽キャベツ▲キャベツと芽キャベツ

 ずっしり大きなキャベツと、ミニュチュアのようにコロンと愛らしい芽キャベツ。その違いをご存知でしょうか。芽キャベツは、キャベツの若い芽と勘違いされやすいのですが、実はキャベツとは異なる品種。この記事では、キャベツと芽キャベツの違い、栄養面の注目ポイントなどについて解説します。

 キャベツと芽キャベツは、同じアブラナ科に属する葉菜類で、いわば親戚関係。ですが、食べる部分となる「葉」の育ち方・実り方が全く異なります。キャベツは1株ごとに中心の芽が大きく結球(葉が重なり合って球状になること)するのに対し、芽キャベツは葉の付け根に生える脇芽(わきめ)が結球したもので、1株につき50個程度が鈴なりに実り、「子持ちキャベツ」とも呼ばれています。

 また、キャベツは春に収穫する春キャベツ(春玉)、高原地帯や寒冷地で栽培され夏に収穫する高原キャベツ(夏秋キャベツ)、冬に収穫する冬キャベツ(寒玉)の3つに大別され、年間を通して食べることができます。一方、芽キャベツは高温と湿気に弱く、一般的な旬は冬から初春にかけて(※1)。3月は芽キャベツと春キャベツの両方を味わうことができる、レアなシーズンと言えるでしょう。

(※1)春まき(7~1月収穫)、夏まき(10~3月収穫)栽培があり、寒冷地など地域によって旬の時期が異なる場合もあり。

小さくても栄養価はキャベツよりもビッグ!芽キャベツの実力

キャベツと芽キャベツの栄養比較(可食部100gあたり)キャベツと芽キャベツの栄養比較(可食部100gあたり)

 栄養面のポイントは、芽キャベツの栄養価の高さ。特に、体内でビタミンAに変わり、高い抗酸化作用が期待できるβ(ベータ)-カロテン含有量はキャベツの約30倍にも。キャベツは淡色野菜なのに対し、芽キャベツは緑黄色野菜に分類される点が大きな違いです。

 緑黄色野菜とは、可食部(食べられる部分)100gあたりのカロテンが600μg (マイクログラム)以上含む野菜のこと。健康のために野菜を1日350g以上食べること、そのうち120gは緑黄色野菜を食べることが推奨されています(※2)。

(※2)参照:厚生労働省webサイト(健康日本21目標値一覧)https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/t2a.html

 また、芽キャベツには、アンチエイジングや風邪予防の味方であるビタミンCがキャベツの約4倍、正常なDNAをつくる手助けとなる葉酸もキャベツの3倍以上含まれています。筋肉の動きや体内の水分を調整するカリウムや貧血を予防する鉄分などのミネラル、不足すると出血が止まりにくくなるビタミンK、腸活をサポートする食物繊維の含有量もキャベツよりも豊富です。

 なお、キャベツと芽キャベツの両方に含まれる注目の機能性成分として、「ビタミンU」と硫黄化合物の「イソチオシアネート」があります。ビタミンUは「キャベジン」とも呼ばれ、たんぱく質の合成を活発にしたり、過剰な胃酸の分泌を抑えて胃粘膜の修復を助けたりする働きがあると言われています。「イソチオシアネート」はキャベツ特有の風味のもとで、がんや老化の原因となる活性酸素を取り除く強力な抗酸化作用が期待されています。

キャベツ&芽キャベツ、栄養士イチオシのおいしい食べ方

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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