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門松、しめ飾り、鏡餅の役割を解説! 正月飾りはいつから飾るのが正確?

2023.12.26 水浦裕美

年末になると、玄関先などで見かける正月飾り。「昔は飾っていたけれど最近は飾っていない」「一人暮らしだから買ったこともない」という人も増えていますよね。ですが、新しい年を幸せに過ごすなら、正月飾りは必須アイテムかもしれません。その理由と正しい扱い方を紹介します。

初日の出とともにその年の福徳を持って、歳神様がやってくる!

日の出日の出

 年末になると門松、しめ飾り、鏡餅の正月飾りを飾る習慣がありますが、その意味をちゃんと理解できている人は多くないかもしれません。

 元旦には、初日の出とともに歳神様(としがみさま)という神様が高い山からやってきて家々を訪ねるといわれています。歳神様はその年の福徳を司る陰陽道の神様で、五穀豊穣の神様でもあります。正月様(しょうがつさま)や歳徳神(としとくじん)、恵方神(えほうがみ)とも呼ばれ、その家の人々にそれぞれ1歳分の年齢と幸せをもたらしてくれるとされています。

 福徳を司る歳神様をお迎えし、おもてなしするために飾るのが正月飾り。つまり、正月飾りが正しく飾られていない家には歳神様が訪れることができず、福徳を届けてもらえないこともあるというわけ。「別に、歳神様から福徳をもらわなくても十分やっていけます」という人ならいいのですが、ほとんどの人が新しい年を健康で幸せにすごしたいと思っているはず。そこで、門松、しめ飾り、鏡餅の役割と正しい取り入れ方を解説したいと思います。

神様がやってくるときの目印となる「門松」

門松門松

 玄関や門の前に置く、竹や松でできた飾りを門松(かどまつ)といいます。門松は平安時代の文献にも登場するほど古くからあるもので、以前は松だけで作られたものでした。松は聖なる木とされ、神様が宿るとも考えられていました。やがて、成長が早くて生命力が強い竹と、冬でも花を咲かせる縁起の良い梅も一緒に飾ることで、不老長寿や繁栄の願いを込め、現在のような形になったそうです。

 門松の役割は、神様が迷わず家に来てくれるようにする目印。そのため、家の入り口がわかるように門の前や玄関脇に置きます。マンションだと、玄関前の共有スペースには置けないこともあるでしょう。その場合は、ドアの内側やシューズケースの上においてもOKです。

 2つセットで飾る門松には、雄松(おまつ)と雌松(めまつ)の2種類があります。クロマツが使われているのが雄松、アカマツが雌松で、雄松を左に、雌松を右に置くのが正式です。ただ、最近では簡略化されたものも多く、両方とも雄松ということもあります。基本的には2つセットで飾るものですが、飾りが豪華なものなら1つでもいいとされていますし、スペース的な問題などで1本だけ置くというのもOKとされているようです。

「しめ飾り」は家の中が神聖であることを示す証

しめ飾りしめ飾り

 しめ飾りとは、しめ縄を、紙を特殊な断ち方をして折った神垂(かみしで)や、シダ科の植物のウラジロ、みかんなどで飾りつけたもののこと。しめ飾りは神社にあるしめ縄と同じ意味があり、聖域と現世を区別する境界線になっています。しめ飾り自体に厄除けの力があり、邪気が入り込まないようにする意味も。しめ飾りを飾ることで、神様が安心して家の中に入って来られるというわけです。

 しめ飾りは玄関先の軒下や、玄関ドアの内側もしくは外側に飾りましょう。神様がくぐって家の中へ入ってこられるよう、なるべく高い位置につけるのがおすすめです。ただ、気をつけたいのがしめ飾りを取りつけるタイミングです。家の中が汚れていれは聖域にならないため、必ず大掃除が終わった後にしましょう。

神様は「鏡餅」に宿る

鏡餅鏡餅

 お餅の中でも丸い形のお餅を鏡餅と呼びます。なぜ、「鏡」なのかというと、三種の神器の鏡を想像してもらえるとわかるように、昔の青銅製の鏡が丸かったからだといわれています。そして鏡餅を2つ重ねる理由は、福徳が重なって縁起がいいからなのだとか。

 そもそもお餅の原料となるお米には霊力が宿るといわれていて、そのお米を押しつぶして固めたお餅には強いパワーがあるとされ、神聖な食べ物とされてきました。そんな鏡餅は歳神様へのお供えとなり、歳神様が家にいる間の居場所になると言われています。

 鏡餅は神棚や床の間に飾るのが一般的です。もしなければ、棚やダイニングテーブルの上に置いても構いません。三宝(さんぼう)と呼ばれる四角の台の上に半紙を敷いてお餅を置くのが正式な飾り方ですが、三宝がなければ平らなお皿を使ったり、半紙のみを敷いて置いたりするでもいいでしょう。

 歳神様にお供えした鏡餅は、鏡開きの日にいただきます。神様の力が宿った鏡餅を食べることで、力を分けてもらえるうえに、1年間無病息災で過ごせるといわれています。鏡開きは1月11日に行われることが多いようですが、関西など一部の地域では1月15日に行われることも。地域の風習に乗っ取って鏡開きを行う日にちを決めましょう。

正月飾りはいつまで飾ってOK? 正しい処分の方法も

 水浦裕美

女性誌編集部を経て、2011年よりフリーの編集ライターとして活動。 女性誌を中心に、メンズ誌、WEB媒体、書籍、企業の販促物などの制作に携わる。 美容、ライフスタイル、タレントインタビュー、マネー企画などを幅広く担当。 プライベートでは、3歳&1歳男の子のママ。

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