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【かぼちゃの栄養】皮、種、ワタに栄養はある?おすすめの調理法は? 栄養士ライターが解説

2023.12.12 野村ゆき

彩り鮮やかな農作物が少なくなる冬でも楽しめる、貴重な緑黄色野菜「かぼちゃ」。かぼちゃの中でも、市場に多く出回っている「西洋かぼちゃ」をクローズアップし、実・タネ・皮に含まれる注目の栄養素について栄養士が解説します。

食べ頃の“かぼちゃ”注目の栄養素は?

食べ頃の“かぼちゃ”注目の栄養素は?食べ頃の“かぼちゃ”注目の栄養素は?

 彩り鮮やかな農作物が少なくなる冬でも楽しめる、貴重な緑黄色野菜(※)が「かぼちゃ」です。この記事では、かぼちゃの中でも、市場に多く出回っている「西洋かぼちゃ」をクローズアップし、実・タネ・皮に含まれる注目の栄養素について解説したいと思います。

※緑黄色野菜とは、可食部(食べられる部分)100g中に、抗酸化パワーを持つカロテンを600μg(マイクログラム)以上含む野菜で、この基準は厚生労働省によって決められています。

年齢を重ねるほど意識して摂取したい「三大抗酸化ビタミン」が豊富

かぼちゃ料理の定番、煮物。少量の油で炒めてから煮ることで、ビタミンACEを効率的に取ることが可能に。ワタも一緒に煮込めば食品ロスにもかぼちゃ料理の定番、煮物。少量の油で炒めてから煮ることで、ビタミンACEを効率的に取ることが可能に。ワタも一緒に煮込めば食品ロスにも

 かぼちゃには、体内でビタミンAに変わるβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンCが豊富に含まれています。この3つのビタミンは「ビタミンACE(エース)」「三大抗酸化ビタミン」とも呼ばれ、生活習慣病を引き起こす誘因となる活性酸素の働きを抑える強い抗酸化力を持っています。

 人間の体には活性酸素を抑える働きがもともと備わっていますが、加齢とともにその働きは弱まっていきます。抗酸化ビタミンは、年齢を重ねるほど意識して摂取したい重要な栄養素なのです。

 西洋かぼちゃの場合、特に、β-カロテン(当量)の含有量が多く、ワタとタネを取り除いた可食部(食べられる正味重量)100gあたり4000μg(マイクログラム)にも。これは、同じ緑黄色野菜のピーマン(青)の約10倍、トマト(赤)の約7倍、ブロッコリーの約4倍を誇ります。

 また、体の酸化を防ぎ、コラーゲン生成や鉄分の吸収を強力サポートするビタミンCは100gあたり43mg(ミリグラム)、細胞の老化予防や血行促進、ホルモンバランスを整える働きがあるビタミンE(α-トコフェロール)は100gあたり4.9mg含まれています。どちらも成人1日の必要量(推奨量)の半分を、かぼちゃ1/8個(正味重量135g)食べると補える計算になります。

 また、かぼちゃには、でんぷんが多く含まれるため、加熱してもビタミンCが壊れにくい特徴があります。さらに、ビタミンCとEを一緒に摂ると、ビタミンEの抗酸化パワーが持続する嬉しい相乗効果も。

ちょっと待った!捨てるなんて、もったいない“かぼちゃのタネと皮”にも栄養が凝縮

栄養士・編集ライター 野村ゆき

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて40代で社会人学生となり、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題に関する情報+好奇心のアンテナをボーダーレスに広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。

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