一人暮らしで猫を飼いたい! でも狭い部屋はストレスの原因…? 獣医師に聞いてみた
2024.1.15 LASISA編集部
猫を飼う場合「完全室内飼育」が推奨されています。しかし一人暮らしの狭い部屋では、猫はストレスをためてしまう恐れも? 獣医師に聞きました。
多くの人々に愛される動物、猫。猫をペットとして飼う場合「完全室内飼育」が推奨されていますが、一人暮らしの部屋でとなると、猫は20~30平方メートルほどの限られた空間で一生を過ごすことになります。これは猫にとって望ましい環境と言えるのでしょうか。小さなワンルームで猫を飼っても良いのか、ガイア動物病院院長の松田唯(まつだ・ゆい)さんに聞きました。
一人暮らしの部屋で猫を飼いたいけれど
Q.ずばり、猫を飼育する環境の望ましい広さについて教えてください。
松田さん「諸説あるので絶対とは言えませんが、単刀直入に申し上げますと、猫に広さは必要ありません。
外では縄張りを持っているため、広い環境が必要…と思うかもしれませんが、そもそも何のために移動する必要があるのか考えてみると良いでしょう。1カ所でジッとしていたら獲物がいなくなってしまうので、探しに行く必要があります。
ただ、自宅で飼育する場合、定期的に食べるものが供給されるので狩りは必要ありません。
元野良猫だったとしても、十分な食べ物が供給されていれば狭い範囲でも問題ないと思われます(ただし、外で遊ぶことが好きだったり、トイレを外でしたい派だったりといった場合は、この限りではありません。性格に大きく左右されると思います)。
こういった理由から、広さは必要ないと言われています。
何かあったときにすぐに逃げられる広さということで、1頭あたり2×2m=4平方メートルと言われることもありますが、ほとんどのご家庭がこの広さはクリアしているのではないでしょうか」
Q.20~30平方メートル程度のワンルームで猫を飼う場合、室内環境にはどのような工夫をするべきでしょうか。
松田さん「『猫にとって快適な環境づくりのためのガイドライン』というものがあります。
簡易化して書いてみますが、
(1)安全で安心できる場所を用意すること
(2)猫にとって必要なもの(トイレや水、フードなど)は、複数用意し、離して置く
(3)遊びや捕食行動の機会をつくること
(4)猫と良好な社会的関係を構築すること(無理やり触ったりしない)
(5)猫の嗅覚に配慮した環境をつくること(嫌な臭いをつけない、残さないなど)
といった5つの柱を基準に環境づくりをしてあげると良いです。
ワンルームということをベースに考えると、キャットタワーなどで高いところや安全に隠れられるところを用意する、フードはそのままお皿に入れるのではなく毎日違う場所に置いたり、頭を使って取り出させるような工夫をする(狩猟本能を満たしてあげることができます)ということでしょうか」
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。 2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主様が選択できる診療を心掛けるようにしています。
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