「猫背は加齢を速めます」専門家が断言! 何歳から気を付けるべき? すぐできる対処法は?
2023.11.6 LASISA編集部
猫背は「加齢」を速めるとは本当でしょうか? 姿勢調整師に聞きました。

「猫背」の姿勢は、何となく見た目の印象を悪く、実年齢より老けて見せるように感じませんか? しかし、ただ“そう見える”だけでなく、実際に加齢を加速させる危険性もあるとのこと。姿勢調整師の塗木洋平さんに聞きました。
そもそも猫背になってしまう原因は?
Q.まず、猫背になってしまうことについて、どのような原因が考えられますか。
塗木さん「まず前提として、生まれつき猫背ということはありえません。人間の姿勢は、成長の過程で作られていきます。猫背になってしまう原因は、生活習慣によるところが大きいです。
(1)肉体的な要因
猫背になる原因として運動不足が大きいです。筋肉には、体の保護や瞬発力を発揮するときに使われる表層筋と、体を支えたりバランスを取ったりするときに使用される深層筋(インナーマッスル)があります。良い姿勢を保持するために必要な大切なのは主に深層筋です。
子どもたちは外で走り回ったり、アスレチックで遊んだり、バランス運動をしたりすることでこの深層筋が鍛えられます。成長期に室内で過ごすことが多かった人は、この深層筋が鍛えられていないことが多く、猫背になりやすいです。
また、筋トレをしている人たちも要注意。シックスパックなどになる筋肉は表層筋です。深層筋のトレーニングをおろそかにすると、マッチョなのに猫背という残念な体型になってしまいます。
(2)精神的な要因
考え方や気持ちの持ち方でも猫背にやりやすくなります。引っ込み思案や自分に自信がなくて、ついつい背中を丸めてしまうというのは分かりやすいと思います。
それだけでなく、学生時代に「身長が高く見られるのが嫌で背中を丸くしていた」という“乙女心”が理由で猫背になっていたという例もあります。
(3)生活習慣の要因
同じ姿勢をずっと続けていると、その特有の姿勢になってしまいます。座っている姿勢が多いと、猫背になりやすくなるのは分かりやすいでしょう。それだけでなく実は、スポーツをしていても同じです。
スポーツは同じフォームを連続で行う場面が多いです。そうなると、よく使われる筋肉も決まっているので、テニスはテニスの姿勢、野球は野球の姿勢というように、そのスポーツ特有の姿勢の歪み方になります」
良い姿勢と猫背の決定的違い 体に負担が!

Q.猫背の姿勢を続ける弊害には、どのようなものがありますか。
塗木さん「まず、良い姿勢についての基本を押さえておきましょう。
姿勢は『背骨の状態を映す鏡』と言われています。姿勢は横から見たとき、S字のカーブを描いている状態が良い姿勢です(医学用語で『生理的弯曲』)。
頸椎(けいつい、首)、胸椎(背中)、腰椎(腰)の3つのカーブが、立ったり歩いたりなど日常生活を過ごす上で体に掛かる負担を和らげてくれます。これを踏まえた上で、猫背が体に与える影響を説明します。
一般的に、猫背とは背骨が丸くなっている状態です。
この状態だとカーブが一つしかなくなり、体のあちこちに負担が掛かります。そうなると次のような弊害があります。
(1)体が痛い
体に負担が掛かっているため、肩こり、腰痛、膝痛などの体の痛みにつながります。
(2)体の動きが悪くなる
S字カーブであることで、人間は快適に動けるようになっています。猫背になると、肩が上がりにくい、腰が曲がりにくい、足があがりにくいなど体の動きのトラブルが起こります」
【画像で解説】猫背になる原因3つと、すぐできる対処法2つ(画像計13枚)
大学時代、バイク事故により腰の骨を複雑骨折した影響で、腰の骨をボルトで固定。社会人2年目から腰痛・頭痛に悩まされるようになり、仕事を休むこともあった。そんな中、姿勢科学に出合い姿勢を改善することで、体が驚くほど軽くなる。その後、同じような悩みを抱えた人に姿勢の大切さを知ってほしいという思いから、姿勢調整師となる。現在は小学校や企業などで姿勢と健康に関する講演を行っている。 講演の依頼や姿勢の相談についてはこちら↓↓ 東京都姿勢調整師会 公式ブログ(https://tokyo-shisei.hatenablog.jp/)。
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