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大人の歯列矯正のメリットデメリット “実質無料”“早く終わる”の真偽は?歯科医が解説

2023.11.2 LASISA編集部

子ども・大人を問わず、まずは矯正専門の歯科などで診てもらうといい

Q.歯列矯正は子どもの時にやった方がいいと聞きますが、何歳までにやるのが良いのでしょうか。大人になってから矯正するメリット、デメリットを教えてください。

石川先生「個人的な見解とはなりますが、乳歯が生えそろう3歳頃、前歯と奥歯の永久歯が生え始める6歳頃に、一度矯正専門のクリニックなどでレントゲンの確認をしてもらうことをおすすめします。一見歯並びがよさそうに見えても、実は歯の生えるスペースが不足していたり、顎の中で歯の位置や本数に異常が起きていたりすることがあり、それらは将来歯並びを圧倒的に悪くするリスクがあります。また、軽微な骨格的な異常に関しては、子どもの矯正治療における成長に対するアプローチが効果を発揮する事があります。

一方、大人の矯正治療は、12~15歳ころに歯が完全に生え変わると治療可能になることが多く、成長発育がある程度落ち着いてきてからの治療を行います。そのため、口元を抜歯治療によって改善したり、すべての大人の歯を一本一本かませたりする作業ができます。クオリティの高い治療が可能となることが、大人の歯列矯正のメリットと言えるでしょう。

また、子供の矯正をやっていたとしても、口元や歯の大きさと顎のバランスが悪い場合には大人の矯正治療や抜歯治療が必要になることもあるため、場合によっては大人の矯正から始めたほうが効率的になることがあります。

大人の矯正にもデメリットはあります。ここでは子供の矯正を、一切やらずに矯正の専門ドクターに状況を見せなかった場合のデメリットをお伝えいたします。

成長発育や生え変わりといった、子供の時期の管理が行われていない場合、何か不測な事態が起きた時に治療難易度が上がり、大人の矯正の際に本来抜きたい歯ではないイレギュラーな歯の抜歯が必要になることがあります。また、子供の矯正でのみ可能な治療もあるため、それらである程度の改善が見込める症状がスルーされることになるので、その場合には最終的な治療結果に影響が生じることもあります」

大人の歯列矯正で選択できる治療方法は?

Q.大人になってから歯列矯正を考える場合、どのような治療方法が選択できるのでしょうか。

石川先生「主に現在主流となっている治療方法としては(1)表側のワイヤー矯正(2)裏側のワイヤー矯正(3)マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)が挙げられます。

(1)表側のワイヤー矯正

表側ワイヤー矯正のメリットに、まず「安定性が高く、コントロール性が高い」ことがあります。歴史が100年近くある治療法のため、様々な方法論が確立しており、対応できる症例が多いのも特長です。
デメリットとしては、『月1回の通院が必要』『違和感が強い』『脱離、ワイヤー突出などのトラブルがある』『金属アレルギーの人には不向き(代わりにニッケルフリーなどの装置もある)』『歯磨きがしにくい』『痛みはマウスピース型矯正装置(インビザライン)の方が少ないという論文がある』『食制限が強めに出る』などが考えられます。

(2)裏側のワイヤー矯正

裏側のワイヤー矯正のメリットとして、『見た目が優れている』『表側よりも難しいとされているが、安定性とコントロール性は高い』ということが挙げられます。
デメリットとしては、表側のデメリットに加え、『歯磨きが最もしにくく磨き残しの確認がしづらい』『違和感が最も強い』『高額になることが多い』『発音がしづらく慣れるまでに時間がかかる』などが挙げられます」

(3)マウスピース型矯正装置

マウスピース型矯正装置にはいくつか種類がありますが、ここでは歴史が浅い中でももっとも症例数が多く、論文数も最も多い、老舗の「インビザライン」に関して説明させていただきます。

インビザラインのメリットは、『清掃が最もしやすい』『目立ちづらい(若干の反射やアタッチメントという突起がつきます)』『装置が外れるなどのトラブルが少ない』『来院の頻度が下がるため、海外出張・留学に対応しやすい』『マウスピース交換のタイミングをコントロールすれば痛みが生じるタイミングをある程度コントロールできる』『違和感が少ない』『金属アレルギーの人にも対応可』といった多くのメリットがあります。
一方デメリットとしては、『すべての症例に適応となるわけではない』『ワイヤーなどの装置によるリカバリーが必要になる可能性がある』『患者依存度が最も高い』ということが挙げられます」

治療期間が短い歯列矯正はある?

歯科医師 石川宗理(いしかわ・むねただ)

千葉センシティ矯正歯科院長。2020.2021年度インビザライン プラチナエリートプロバイダー、2021.2022年度インビザライン ダイヤモンドプロバイダー、2022.2023年度インビザライン ブラックダイアモンドプロバイダー。北原学院千葉歯科衛生士専門学校非常勤講師。歯学部卒業後、矯正専門のドクターとして、多数の歯科医院、医療法人でさまざまな患者と向き合う。2022年6月、千葉市で自身の医院である千葉センシティ矯正歯科を開業。矯正治療を通じてすてきな笑顔と、健康に協力できることを心より願っている。 千葉センシティ矯正歯科(https://chiba-kyousei.jp/) 公式Instagram(https://www.instagram.com/sr.orthodontics/)

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