大人の歯列矯正のメリットデメリット “実質無料”“早く終わる”の真偽は?歯科医が解説
2023.11.2 LASISA編集部
コロナ禍のマスク着用をきっかけに歯列矯正に興味を持つ人、実際に施術を受けた人が増えたといいます。一方で、歯列矯正にまつわるトラブルも起こっています。歯列矯正をこれからしようと思う人は、どのような点を注意すれば良いのでしょうか。歯列矯正のメリットデメリット、クリニックの選び方を、矯正専門歯科医師の石川宗理先生に話を聞いてみました。
歯列矯正のメリットは?

マスクの下だから人に気づかれることなく歯並びをきれいにできる――。コロナ禍のマスク着用をきっかけに歯列矯正に興味を持つ人、実際に施術を受けた人が増えたといいます。
歯列矯正のメリットとして、歯列にコンプレックスがある人は笑顔に自信を持つことができ、かみ合わせが悪い人は、食いしばりがなくなることで肩こりや頭痛といった不調の軽減につながるといわれています。
一方で、2023年6月、“実質無料”とうたわれた歯列矯正のモニターの契約で高額の費用を払わされた人が歯科医院を訴えるとニュースが報道されたのは記憶に新しいでしょう。訴えを起こした人々は、治療が最後まで行われず、なかには歯並びが良くなるどころか矯正前より悪くなるなどの健康被害を負ったと言います。
歯列矯正をどのクリニックで受けるべきか、どのような治療法があるのか、期間はどのくらいか、治療を受ける側がメリットデメリットを“知る”ことの重要性が明るみになったケースと言えるでしょう。
歯列矯正をこれからしようと思う人は、どのような点を注意すれば良いのでしょうか。歯列矯正のメリットデメリット、クリニックの選び方を、矯正専門歯科医師の石川宗理先生に話を聞いてみました。
Q.歯列矯正をするメリット、デメリットを教えてください。
石川先生「メリットは大きく分けると(1)審美性の改善(2)口の中の健康改善(3)機能的な改善の3つが挙げられます。下記でそれぞれ説明しましょう。
(1)審美性の改善
出っ歯や受け口、凸凹などといった歯並びそのものの改善だけではなく、口ゴボ(口元が出ていることの俗称)や顎先にできる梅干しジワ、などといった口元の改善を図ることができます。
(2)口の中の健康改善
凸凹を取ることによって、歯磨きがしやすくなり、歯科医院でのクリーニングも器具が届きやすくなり、結果として虫歯や歯周病の予防になります。また、出っ歯のかたや、口元が出るように歯が前方に出ている方の場合、口を閉じやすくなるため口呼吸が改善し、口の中が乾燥しにくくなることも同じく予防になります。また、出っ歯のかたは、転んだときに前歯をぶつけて前歯が折れたり、抜けたりするリスクが約2倍になるといわれていたり、80歳で20本以上歯が残っていた方をある一定の人数集めたときに受け口の方がいなかったという報告もあるため、それらの改善は有意義なものであると考えられます。
また歯の位置を整えることによって、将来歯がダメージを受けた時、またすでに歯がなくなった時に、より良い治療を受けられるようになります。
(3)機能的な改善
かみ合わせを改善して噛む能力を改善することはもちろん、発音の改善や、前述した、口もとを改善することにより口呼吸の改善などができます」
千葉センシティ矯正歯科院長。2020.2021年度インビザライン プラチナエリートプロバイダー、2021.2022年度インビザライン ダイヤモンドプロバイダー、2022.2023年度インビザライン ブラックダイアモンドプロバイダー。北原学院千葉歯科衛生士専門学校非常勤講師。歯学部卒業後、矯正専門のドクターとして、多数の歯科医院、医療法人でさまざまな患者と向き合う。2022年6月、千葉市で自身の医院である千葉センシティ矯正歯科を開業。矯正治療を通じてすてきな笑顔と、健康に協力できることを心より願っている。 千葉センシティ矯正歯科(https://chiba-kyousei.jp/) 公式Instagram(https://www.instagram.com/sr.orthodontics/)
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