【続くレトロブーム】なぜ?まだ生まれてないのに若者がノスタルジーや懐かしさを感じる理由
2023.10.9 LASISA編集部
昭和レトロや平成レトロが一大ブームになっています。若者たちは、自分の生まれていない時代の古い物や出来事に“懐かしさ”や“ノスタルジー”といった魅力を感じているようです。なぜ、生まれてない時代のものに「懐かしさ」を感じるのでしょうか?
昭和レトロと平成レトロ…違いはある?

レトロ喫茶、レトロ居酒屋、レトロ雑貨……。最近耳にすることの多い“レトロ”。
中でも、「昭和レトロ」と「平成レトロ」をよく耳にします。
昭和レトロブームは、2010年代から徐々に始まったといわれています。Z世代から注目を浴びたことをきっかけに、現在は爆発的なブームとなっています。
Z世代は「デジタルネーティブ」といわれる、生まれた時からインターネットに身近に触れてきた世代。
彼らが、インスタやTwitterなどを経由して、昭和時代の物事を“エモい”、“映える”と再発信したことで、昭和レトロブームへと発展しました。
平成レトロブームもまた、Z世代から注目されたのをきっかけに2020年頃始まったと言われています。
新しさと古さが融合した韓国発のカルチャー「ニュートロ」や、2000年代初頭に流行したファッションを指す「Y2K」などが流行し、平成レトロブームを後押ししています。
長引く「レトロ」ブームですが、若者たちは、自分の生まれていない時代の古い物や出来事に“懐かしさ”や“ノスタルジー”といった魅力を感じているようです。
なぜ、生まれてない時代のものに「懐かしさ」を感じるのでしょうか?
若者が「昭和レトロ」に懐かしさを感じる理由は?

“昭和レトロYouTuber”としてYouTubeやインスタグラムで昭和レトロ情報を発信している菅沼朋香さん(@tomoka_suganuma)に、昭和レトロに興味を持ったきっかけを聞いてみました。
Q.菅沼さんが昭和レトロにハマったきっかけを教えてください。
菅沼さん「2008年頃に名古屋市で営業職をしていて、外回りの際に『純喫茶』に行き出したことがきっかけです。
純喫茶については、アコーディオンの弾き語り奏者・ゴトウイズミさんのブログ『純喫茶へ、いかがですか?』で興味を持ちました」
Q.昭和レトロブームはいつから始まったのでしょうか?
菅沼さん「2012年に発売された、東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんの本『純喫茶コレクション』(河出文庫)が、現在の昭和レトロブームの走りだと考えています。
さらに、純喫茶人気の高まりと、石塚硝子が昭和時代に発売していた食器ブランド『アデリア』のグラスウエアを復刻した『アデリアレトロ』が2018年に発売されたことで昭和レトロブームが加速したといえます」
Q.若者は、なぜ生まれてなかった昭和時代のものに懐かしさを感じるのだと思いますか?
菅沼さん「私自身は昭和レトロに懐かしさは感じていなくて、見たことのない新鮮なもの、という感覚です。
若い人たちが、昭和レトロに対して、本当に懐かしいと思っているのかは疑問です。
古いものに対する感覚を、『懐かしい』とか『エモい』という言葉で表現しているのでは、と考えます。今流行している純喫茶や雑貨、古い町並みは平成の時代にもグラデーション的に存在していたので、その辺の感覚が、懐かしさに結びついているのかもしれません」
Q.菅沼さんが注目する昭和レトログッズ、スポットなどを教えてください!
菅沼さん「グッズは、タイガーの復刻版の炊飯器やレトロなお花柄のキッチンマットなどレトロなデザインの再販に注目しています。
レトロスポットは、最近はだいぶにぎやかになってきた静岡県熱海市に注目しています。他には、長野県上田市、山梨県甲府市、広島県尾道市、大阪など、駅前に商店街、横丁、純喫茶などがあり町全体に昭和感が残っている場所が好きです。
また、これらの街が、時代の変わり目の中でどのように昭和レトロを残しつつ存続していくかという所に注目しています」
心理カウンセラー歴38年(公認心理師、シニア産業カウンセラー、芸術療法士)。誰もが気軽にカウンセリングを受けられる社会にしたいと考え、花、色彩心理、ハーブなど親しみやすい切り口の心理療法を開発。学術的なエビデンスを得ている。一般社団法人<芙和せら>心理研究所 所長。花と心の学校/ハートステップ・カレッジ 代表。
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