「やたら上から目線」「過度な自虐」周囲を疲れさせる“否定癖”のある人の特徴と対処法
2023.10.25 LASISA編集部
Q4.自分にも「否定癖」があるかも……。「否定癖」をチェックする方法はありますか?
芙和さん「『否定癖』の有無がわかる簡単なチェックシートを作成しました。あなたの考えにあてはまる項目はいくつありますか?
□世の中に信頼できる人はそう多くない。
□やりたいことがあっても、失敗することを想像して諦めることがある。
□成功する人は一握りの才能のある人か、ラッキーな人だ。
□自信があることでも誰かに否定されたらと心配になる。
□前向きで元気な人といると疲れることがある。
□実際に口にしなくても「でもさ……」など心の中で否定することがある。
□「~だけど」と逆接で会話をつなぐことが多い。
□世の中には深く考えずにお気楽な人が多いと思う。
0~2つ 否定癖はあまりなさそうです。
3~5つ 否定癖があります。特にストレスがたまった状況になると否定癖がでますのでご注意を。
6つ以上 かなり強い否定癖があります。心理カウンセラーなどに相談してコミュニケーションや人間関係を改善するといいでしょう」
Q5.「否定癖がある」という結果に。今からできる改善方法を教えてください。
芙和さん「否定癖から解放される方法を3つご紹介します。
(1)ストレスをためこまない。
ストレスをためると、普段は否定癖のない人でも、他人や自分を否定したくなることがあります。なるべくストレスを溜めないように気分転換を上手にしましょう。また、食生活や睡眠習慣を整えることはストレス緩和の第一歩なので意識しましょう。
(2)否定癖が誰の影響かを理解し、自分の癖を修正する。
否定癖は親の影響が強いとお伝えしました。自分の否定的な口癖は誰に似ているかを振り返ってみましょう。
母親、父親、祖父母など親しい人の口癖はなんでしたか? 幼少期は無意識に身近な大人の影響を受けてしまいますが、これを読んでいる人であれば自分で自分の生き方や癖を修正することができます。
(3)コミュニケーション心理学に詳しい心理カウンセラーに相談する。
コミュニケーション心理学は、人間関係やコミュニケーションに特化した心理学です。自分で否定癖をうまく修正できない場合は、心理カウンセラーに頼るのも一つの方法です。
否定癖のある人は人間関係全般において『生きづらさ』を感じていることが多く、心理カウンセリングによって改善していきます。
Q6.否定癖を改善した例があれば教えてください!
芙和さん「かつてのクライアントの例をご紹介しましょう(個人が特定できないよう実際にあった例の個人情報を加工しています)。
30代半ばの女性・A子さんは、自分のことも他人のことも否定してしまいがちで人間関係がうまくいかず、カフェを開くという自分の夢もなかなか実現できない、ということでカウンセリングを受けに来ました。
コミュニケーション心理学で分析したところ、母親は成功した親戚のことを『ずるくたちまわる人だ』などと悪口を言っていました。父親は『女はダメだ。能力がない』と女性蔑視の発言をしていました。両親の影響からA子さんは自分に自信が持てず、また、他人(特に女性)の欠点ばかりが目につくようになってしまっていることに気付きました。
カウンセリングが進んでいくと、成功した親戚の悪口を言っていた母親の本心は“うらやましさ”だと気付きました。母親は、父親から働くことに反対されていて、子どもが小学校に入ったら保育士として復帰したがっていた夢がかなわなかったためです。
さらに、父親のことは大嫌いと言っていたA子さんでしたが、幼稚園に入る前くらいによく山菜採りに2人で出かけていたことを思い出しました。山菜を見つけるのが上手なA子さんを手放しほめてくれた父親は笑顔だったということも……。
不器用な生き方しかできなかった両親はすでに2人とも他界していましたが、両親はA子さんの幸せを心の底では願っていたはずだという結論を得ました。そこから否定的な言葉の癖を修正していきました。
後輩の指導をするときには『また、~ができてない』の否定型から『~するとうまくいくのでは?』という提案型に変化しました。
カフェの夢を語るときには『どうせ無理だけど』と前置きするのをやめました。現在は、職場での人間関係がよくなりリーダー職についています。カフェの夢実現のため、コツコツお金を貯めているところです」
「否定癖」について、芙和さんに解説していただきました。いかがでしたでしょうか。
「否定癖」は幼少期に身近にいた大人の影響を色濃く受けるということです。もし、自分に否定癖があると思い、悩んでる人がいたら、これまでの考え方の癖を変えてみましょう。自分にとっても周囲にとっても生きやすい環境に改善していくはずです。
心理カウンセラー歴38年(公認心理師、シニア産業カウンセラー、芸術療法士)。誰もが気軽にカウンセリングを受けられる社会にしたいと考え、花、色彩心理、ハーブなど親しみやすい切り口の心理療法を開発。学術的なエビデンスを得ている。一般社団法人<芙和せら>心理研究所 所長。花と心の学校/ハートステップ・カレッジ 代表。
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