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【ゲイと女の5点恋愛術】ISSUE6(最終回):恋愛に興味がないのは異常なの? 恋愛=“世間からの呪い”説 恋愛至上主義に屈しない方法とは?

2022.11.9 @okishimagazine

恋愛こそが“世間からの呪い”である可能性!?

恋って何? 甘いもの? ドキドキしたりときめいたりする感情? 結婚・出産までのプロセスの一環? 考えれば考えるほど袋小路にハマる/イラスト:MOMOKO YAMADA恋って何? 甘いもの? ドキドキしたりときめいたりする感情? 結婚・出産までのプロセスの一環? 考えれば考えるほど袋小路にハマる/イラスト:MOMOKO YAMADA

 ヴァジャ“恋愛=世間からの呪い”説も成立する気がする。だって恋愛しないと、結婚もしないし子供もできない。少子化一直線になって人口が少なくなれば税金の徴収先が減るし、国が繁栄しないじゃん。もしかしたら秘密結社みたいな恋愛推奨組織が、水面下でこっそりエンタメ業界に圧力をかけていて、あらゆる映画とかドラマとか音楽とか漫画とかがこぞって「みんなー! 恋愛あるよー! とってもステキなことなんだよー!」って旗を振っているのかもしれない。

 しょうちゃん:確かに、恋愛コンテンツは世界中どこに行ってもめちゃくちゃ大量にあるし、なぜかみんな「恋愛ってステキなんだ! 幸せになれるんだ!」って思い込んでいる節はあるよね。でもさ、仮に、恋愛の最終目的が、子供を作って大人になるまで育て上げることだとすると、国民の性欲を満たしてあげるほうが、目的達成のためにはストレートなアプローチじゃない?

 ヴァジャ:だからって「ハイみなさん、性欲に忠実になりましょう!」って政府から大っぴらにお勧めされても、国民はドン引きするじゃん。美しくないし、犯罪にもつながりかねない。だから“ステキな恋愛”を隠れみのにして、実は結婚とその先にある子作りを推奨してるんじゃないの……私たち、国家の思惑に気がついちゃったんじゃないの!?

 しょうちゃん:だけど、ノンセク女さんみたいに「恋愛感情はあるけど性欲はない」って人も一定数いるわけじゃん。「恋愛感情がないことを社会から責められているようでつらい」っていう、「ときめきを忘れたゲイさん」のお悩みと、根っこでつながっているのかもね。恋愛しなきゃってみんなが焦り出すタイミングっていつなんだろう?

 ヴァジャ:外野からプレッシャーを受けた時だと思う。友達がいない、ドラマや映画を見ない、音楽も聴かない環境にいると「恋愛しよう!」と思わないんじゃない? 友達に「最近どうよ、恋してる?」とか聞かれて初めて「彼氏、やっぱりいたほうがいいのかなー」って思っちゃう。そしてアプリとかインストールしてみるわけよ。

 しょうちゃん:相談にある「恋人が長期間いない人は人間性に欠ける」なんていう見解は絶対に許されないんだけれど、まあ確かに、彼氏いない歴が長くなればなるほど“事故物件”扱いしてくる人はいるよね。

 ヴァジャ:でも、パートナーが欲しいけれどできない人、彼氏彼女はあえて作らない人、あえて結婚しない人、いろんな人が現実にはいるわけじゃん。こういう社会こそ、世間が目指すところのダイバーシティっていうんじゃないの?

恋愛に対して、人とは別の観点で関わっていくという選択

 ゲイと女の5点ラジオ

若くもないけどおばさんでもない。そんなネオおばさん世代のパーソナリティ、しょうちゃん(ゲイ)とヴァジャ(女)が“5点の自分も愛していこう”をモットーに、自意識をこじらせながら偏見と妄想を話すPodcast番組で、毎週月曜・木曜18:00配信。第3回ジャパンポッドキャストアワード・ベストパーソナリティ賞受賞。

著者 @okishimagazine

編集&ライター歴17年目。宝島社『InRed』『GLOW』、ハースト婦人画報社『ELLEgirl』を経て独立。雑誌や書籍などのペーパーメディアと、WebやSNSなどのオンラインメディアをハイブリッドで企画・制作・運用を強みとしている。

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