生理前の不調の解消や肌荒れ改善にも効果あり!避妊だけじゃないピルのメリットって?
2022.10.6 水浦裕美
一般的には避妊効果で知られているピルですが、服用することで得られる効果はそれだけではありません。今回は、まだまだ知らない人が多い、避妊も含めたピルを服用するメリットを、月経にまつわるトラブルでピル内服される方をたくさん診療されている「直レディースクリニック」院長 竹村直也先生に教えてもらいました。
正しく服用すれば避妊効果は99.7%

ピルのメリットとして一番初めに思い浮かぶのが、その避妊効果。飲み忘れることなく正しく服用していれば、99.7%もの避妊効果が得られます。コンドームを使用した場合の避妊効果は、正しく使った場合でも85%。コンドームなどの避妊法よりも優れた避妊効果があるのがわかります。
そして何より、女性の意思で女性自らが避妊できるところが大きなポイント。望まない妊娠を防ぐことができ、妊娠や出産のタイミングを自分でコントロールできることは、人生プランを思い描くうえでとても大事なことです。
生理前・生理中の不調が緩和する!

生理前になると気分がイライラしたり、頭痛や気分の落ち込みといった症状が起こるPMS。低用量ピルを服用することで、80~90%の人にPMSの緩和が認められたそうです。また、生理痛緩和に対しては、90%と高い確率で効果を感じる人がいるようですし、出血量が多い過多月経に関しても、月経量が40%も減少したとの報告があります。
子宮筋腫と子宮内膜症によるチョコレートのう腫があり、倒れてしまうほどひどい生理痛に悩まされていた人が、低用量ピルを服用し始めてから数カ月で生理痛が劇的に改善したという例もあるそうです。
PMS、月経困難症、過多月経、子宮内膜症疼痛などと診断され、治療として低用量ピルを処方される場合は保険適用となります。医療機関や服用するピルの種類にもよりますが、費用は1カ月分で約1000円~2500円程度になります。
生理のスケジュールをコントロールできる!

大切な試合や試験、楽しみにしている旅行と生理が重なってしまう!そんなときにもピルが活躍してくれます。予定に応じて一定期間、中用量ピルを内服することで生理期間を早めたり、遅らせたりすることができるのです。スケジュールに合わせて生理を調整できるため、海外の女性アスリートの間ではすでに広く浸透しています。
中用量ピルと低用量ピルはともにエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが合成されている点は同じですが、中用量ピルは低用量ピルよりもエストロゲン量が多く配合量されているところが異なります。
生理期間をずらす目的で中用量ピルを服用する場合の費用は、服用期間にもよりますが1500円~4000円程度です。
肌荒れが劇的に改善!

肌荒れの改善も、ピルのメリットの1つです。皮膚科で治療を受けてもなかなか良くならなかった肌荒れが、低用量ピルを内服するようになって劇的に改善することがあります。これは低用量ピルにより、男性ホルモンの働きを抑える作用のためだと考えられます。
肌荒れ改善を目的に低用量ピルを内服する場合は保険が適用されません。そのため、医療機関やピルの種類にもよりますが、1カ月分で1500円~3,000円ほどかかります。
食の欧米化が進み、栄養状態が昔に比べ格段に良くなっている現代では、初経年齢が低下して閉経年齢が遅くなっているため、一生のうちに経験する生理の回数が確実に増えています。また、女性の社会進出が盛んになり妊娠回数が減ったことも、生理の回数も増える要因です。生理の回数が増えることで、生理にまつわるトラブルは以前よりも確実に増加しています。
それらのトラブルを改善し、より自分らしく快適なライフスタイルを実現するためにも、ピルを服用することを選択肢の1つとして考えてもいいでしょう。ビルの内服に興味を持った人は、医療機関を受診して相談をしてみてください。
◯協力
直レディースクリニック
https://nao-ladies.com/
女性誌編集部を経て、2011年よりフリーの編集ライターとして活動。 女性誌を中心に、メンズ誌、WEB媒体、書籍、企業の販促物などの制作に携わる。 美容、ライフスタイル、タレントインタビュー、マネー企画などを幅広く担当。 プライベートでは、3歳&1歳男の子のママ。
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