女性の70%以上がPMSの症状あり! 生理前の不調を解決する方法とは?
2022.9.6 水浦裕美
生理の前に訪れるイライラや精神的な落ち込み、体調不良。もし、そういった症状があればPMSかもしれません。年々、悩む人が増えているPMSについての基本情報と、解決法についてご紹介します。
PMSって一体何?

生理前になると、おなかの張や肩こり、頭痛、むくみ、体重増加、便秘、胸の張りといった身体的不調や、イライラ感、怒りやすい、無気力、集中力の低下などの精神的不調を感じることがありませんか?
もし、生理前の3〜7日前に以下の症状のうち、4個以上(1〜4のうち1つは必須)について過去3カ月間連続して当てはまることがあり、その症状が生理の終わりとともになくなるようなら、あなたもPMS(月経前症候群)かもしれません。
(1) 気分の不安定
(2) イライラや怒りやすい
(3) 不安感・緊張感
(4) うつ状態・自己肯定感の低下
(5) 仕事や趣味に対する興味消失
(6) 倦怠感
(7) 集中力の低下
(8) 食の好みの変化
(9) 睡眠障害
(10) 身体的不調(おなかの張りや肩こり、頭痛、むくみ、体重増加、便秘、胸の張り)
PMSの症状に悩まされたことがある女性は70%以上もいて、20〜49歳の日本人女性を対象に行われた調査(※)によると、そのうち中等症から重症の症状に悩まされているのは約20人に1人もいるという結果が出ています。
PMSの原因は、性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが関係しているとか、神経伝達物質のセロトニンの影響、交感神経・副交感神経の乱れ、食生活、ライフスタイルなどさまざまなことがあげられていますが、何が原因でPMSが起こるかはまだはっきり判明していません。
※20〜49歳の日本人女性1187人を対象に行われた調査「Arch Womens Ment Health; 9(4): 209-212, 2006」
PMSをみんなどう対処している?

PMSをただの体の不調と捉え、頭痛があっても市販の痛み止めを服用してごまかしたり、精神的な不調があっても生理期間が過ぎ去るのをひたすら待つなどして、対処している人がほとんどのようです。
でも、PMSはれっきとした病気です。先ほどのチェック項目に当てはまるようなら、婦人科を受診するようにしてください。
低用量ピルでPMS対策ができる!

PMSの症状を抑える方法の1つとして知ってほしいのが低用量ピル。低用量ピルを服用することで、PMSで悩む80〜90%の人の症状が緩和したという報告があるそうです。
低用量ピルとは、女性ホルモンのストロゲンとプロゲステロンが配合されている経口薬のこと。もともとは避妊薬として開発されましたが、それ以外にもPMSの症状の改善、月経痛改善、月経量減少、肌荒れ・多毛症の改善、卵巣がん・子宮体がんのリスク低下などの副効用が数多く認められ、2008年からは月経困難症の治療薬として保険収載されるようになりました。
低用量ピルは怖い薬ではない!
日本ではピルの副作用のイメージを強く持っている人が多いため、PMSの症状が緩和されると知っても、「飲み始めてみようかな」となかなか思えないのかもしれません。現在、主流となっている超低用量ピルは、飲み始めの副作用である吐き気に関しては、以前の中用量ピルに比べるとかなり改善されています。
ピルは、正しく服用すれば安全でメリットの多いお薬で、決して怖いお薬ではありません。自分の生理対策やコンディショニングのために、ピルを活用することで、より快適なライフスタイルを送ることができます。PMSの症状で悩んでいるなら、一度婦人科を受診し、その際に低用量ピルの服用も相談してみるといいかもしれません。
女性誌編集部を経て、2011年よりフリーの編集ライターとして活動。 女性誌を中心に、メンズ誌、WEB媒体、書籍、企業の販促物などの制作に携わる。 美容、ライフスタイル、タレントインタビュー、マネー企画などを幅広く担当。 プライベートでは、3歳&1歳男の子のママ。
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