原材料やコスト高だけが原因じゃない ユニクロが2022年秋、主力商品を値上げする本当の理由
2022.7.5 @okishimagazine
ユニクロ(UNIQLO)の2022-23秋冬展示会レポートをお届け。ファーフリース、ウルトラライトダウンetc.、主力アイテムの値上げ報道が話題ですが、その背景には、機能性・着心地・サステナビリティといったあらゆる面でのアップデートがあります。
ユニクロが2022年秋冬主力商品を値上げする理由
ユニクロ(UNIQLO)の2022-23秋冬展示会が開催され、7月以降に入荷予定の新作ラインナップがひと足お先にお披露目されました。
ファーフリース、ウルトラライトダウンジャケット、カシミヤセーターetc.、主力アイテムの値上げ報道が話題ですが、その背景には、サスティナビリティの実現、機能性や着心地の向上といった、あらゆる面でのアップデートがあります。
ファーフリースジャケットは100%リサイクル素材に
¥1,990から¥2,990へと、¥1,000の値上げが報道されている、ユニクロ秋冬のアイコンアイテム、ファーフリースフルジップジャケット。実は、ペットボトル由来の再生ポリエステル素材を用い、膨大な開発コストをかけて作られているスーパーサステナブルウェアなのです。
回収された使用済みペットボトルを粉砕してできたリサイクルポリエステルチップを紡績し、糸にして新しい服を作る再生技術の進化を体現。しかも、今シーズンからその使用率を30%→100%にまで大幅にアップ。
軽くて暖かく、アウターにインナーにと着回しがきいて、家庭の洗濯機で気兼ねなくジャブジャブ洗えるSDGsな高機能ジャケットを、わずか¥2,990(税込)でユーザーに届ける企業努力はもっと評価されてよいのではないかと思います。
ダウン&中綿ジャケットのバリエーションが豊富に
ユニクロ秋冬の主力商品のひとつ、ウルトラライトダウンジャケットシリーズも¥1,000の値上げが予定されていますが、表生地のバリエーション増加・寒さを防ぐための設計・動きやすさを重視した美しいシルエットなど、アップデート要素が満載。
また、値上げするウルトラライトダウンに替わる新しい選択肢として、中綿ジャケットの新作が続々登場します。
集中的に暖めたい身ごろ部分にはダウン素材・腕まわりなど活発に動かす部分には吸湿発熱綿と、身体のパーツごとにパッキングする中身を変えたハイブリッドダウンパーカや、ふわふわで軽く暖かな粒綿をダイヤキルトデザインで閉じ込めたウォームパデッドキルティングベストなど、軽くて暖かく、自宅で手洗いできるアウターのラインナップが一段と広がりました。
着ることでサステナビリティに貢献できるリサイクルダウンジャケット。
着古したユニクロのダウン商品を店頭で回収し(“RE:UNIQLO”と書かれたリサイクルボックスが目印)、工場で裁断し、ダウン・フェザーと生地に分離して、ゴミを取り除き、新たなダウン商品を作り出す独自のリサイクルテクノロジーを駆使。
無駄な資源を使わない・ゴミの量を削減・CO2排出量を約20%削減と、環境への負担を減らす工夫が凝らされています。
3D仕立てでより美しく進化したカシミヤセーター
“繊維の宝石”とよばれるカシミヤを100%使用したセーターも値上げされますが、特筆すべきはウィメンズ。
縫い目なく360°立体的に編み上げるホールガーメント技術を駆使した3Dニット仕立てにすることで、よりよい着心地や美しいシルエットへとアップデート。着こなしを選ばないベーシックカラーからトレンド感あふれるニュアンスカラーまで、カラバリが実に豊富なのもユニクロならでは。
以上、ユニクロ2022-23秋冬展示会でお披露目された新作のなかから、値上げはするけれど値段以上にアップデートするアイテムをクローズアップしてご紹介しました。物価高の嵐がますます吹き荒れそうな秋以降のお買い物プランに上手に活かしてみてください。
■お問い合わせ先
ユニクロ
0120-170296
https://www.uniqlo.com/jp/ja/
編集&ライター歴17年目。宝島社『InRed』『GLOW』、ハースト婦人画報社『ELLEgirl』を経て独立。雑誌や書籍などのペーパーメディアと、WebやSNSなどのオンラインメディアをハイブリッドで企画・制作・運用を強みとしている。
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