LASISA

Search

気象病って? このところやる気も体調も急降下なワケ

2022.7.4 鈴木博美

このところの不安定な天候に、カラダも気持ちもついていけず体調を崩しやすい人、いますよね? 頭痛や耳鳴りがするなど、体調不良になりがちなこの時期を上手に乗り越えるための対策についてご紹介します。

なぜか季節の変わり目に起こってしまう、様々な不調ってありませんか?なぜか季節の変わり目に起こってしまう、様々な不調ってありませんか?

 いきなり猛暑になったと思ったら雨が続いたり、これから襲ってくる台風や熱帯低気圧など、不安定な天候に体も気持ちもついていけず体調を崩しやすい人は少なくないのでは?

 頭痛や耳鳴りがするなど、体調不良になりがちなこの時期を上手に乗り越えるための対策についてご紹介します。

気象病とは? 原因は?

気候の変化や気象は日常生活に大きな影響を及ぼすんです。気候の変化や気象は日常生活に大きな影響を及ぼすんです。

「頭が痛いと思ったら、やっぱり低気圧が近づいてる」「雨が降りそう」など、体調不良で天気を当ててしまう人、皆さんの周りにもいませんか?

 天気の悪い日に頭痛がしたり、身体の調子が良くなかったり。これ気分だけの問題じゃなくて「気象病」「天気病」などと呼ばれています。

 この頃、テレビなどでよく耳にする「気象病」

 正式な病名ではありませんが、気圧や気温、湿度などの変化がストレスとなって、心や身体に影響を及ぼすことがあります。特に女性がなりやすく20代~30代がピークといわれています。

 気象病の潜在患者は1,000万人とも言われます。健康食品会社の調査によると、全国の30代以上女性391名のうち、10人に8人が不調を感じ、そのうち57.6%が、気象病の可能性を実感しているとのこと。

 症状は人によって異なり、様々な不調があらわれてしまうのです。

身体の内なる声をキャッチ身体の内なる声をキャッチ

 気象病は気温や湿度、気圧の変化によって引き起こされる自律神経の乱れによって発症します。

 気圧が下がったり上がったりすると、耳の奥にある三半規管や前庭など体のバランスを保つ気管が集まっている内耳が感知します。

 内耳が気圧の変化に敏感だと、わずかな変化でも脳に過剰な情報が伝わって自律神経はストレス反応を引き起こし、頭痛・めまい・鬱など、さまざまな体調不良を引き起こします。

 天気や気圧と体調は密接に関係しているため、特に雨の多い梅雨時や気候が変化するこの時期は、身体の内なる声をいつもより敏感にキャッチすることが大切です。

■気象病の判断ポイント

・雨が降る前や天候が変わる前に、何となく予測が出来る
・雨が降る前は眠くなったりめまいがする
・雨の日が続くと、とにかくずっと眠い
・頭痛持ちである
・めまいや耳鳴りが起こりやすい
・乗り物酔いをしやすい
・飛行機や新幹線に乗ると耳が痛くなりやすい

 あてはまる項目が多いほど、自律神経が乱れやすい傾向があります。

自分でできる予防と対処法は?

一日のルーティンを決めて規則正しい生活を送ること一日のルーティンを決めて規則正しい生活を送ること

湿気を取り除く
 梅雨から夏にかけては、湿度も気温も上がっていく季節です。

 湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなり、身体の水分代謝がとどこおりむくみがち。また汗が体内から逃げにくいことで体温調節もしづらくなります。

 湿気を逃す通気性のよい素材の服や機能性インナー、湿気を逃すリネン(麻)素材の寝具がおすすめ。エアコンや除湿機をかけたり、こまめに換気をしたりして部屋の湿度を下げましょう。

適度な運動やストレッチ
 気象病の症状を改善するためには、適度な運動が有効です。

 ヨガやストレッチなどで体を動かして血液のめぐりを良くすることで自律神経を整えることができます。運動をする時間が取れなければ、階段を使うなど日常の中でこまめに体を動かすことを心がけてみて。

規則正しい生活を送る
 当然のことですが、質のよい眠りは自律神経を整えるために大切なこと。決まった時間に寝起きするよう生活のルーティンを意識して。

 目覚めたら窓辺に直行。カーテンを開けて太陽の光を感じることで、生活のリズムを整えやすくなります。就寝時間よりも、起床時間がバラバラなほうが体内時計を狂わせるそうです。

耳周りの血流を良くする
 両耳をつまんで上下・左右に引っ張ったり、ゆっくりまわしてマッサージ。

 耳のまわりをもみほぐすことで、耳の血流が良くなると自律神経の機能が整い、気象病の予防や改善につながるようです。

PMS(月経前症候群)の症状が重い人は注意!

PMSの症状、気圧や気温の変化で増幅される!PMSの症状、気圧や気温の変化で増幅される!

 PMSとは「premenstrual syndrome」の略称で、月経前症候群のこと。

 生理を迎える3日前から10日前の間に起こるむくみや乳房の張りなどの身体的、眠気や倦怠感などの精神的な不調がおもな症状。女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。

 PMSが重い女性は天候の変化で症状が悪化しやすいという報告もあります。

 ホルモンバランスにトラブルが生じていたところに天気の変化によって、自律神経の乱れがさらに悪化。心身ともに疲れ果てた状態では仕事も学校も集中できませんね。

 時には勇気を持って休むことも大切です。 症状のつらさは人それぞれ。他の病気が隠れていることもあるので、我慢せずに一度婦人科を受診することをおすすめします。

 この時期は、梅雨の湿気が体調不良を引き起こす「湿邪(しつじゃ)」と夏の暑さの邪気「暑邪(しょじゃ)」のダブルパンチ。

 湿気により水分代謝が滞るところに、暑さによる体力消耗で心身共にすっかり弱ってしまう今を上手に乗り切っていきたいものですね。

◯参考データ
シックスセンスラボ株式会社・女の一生素敵学研究所調べ
【調査実施概要】
・調査期間 :2022年5月12日〜5月14日 調査対象者:全国の30歳以上の女性を対象に調査
・調査方法 :WEBアンケート調査 有効回答数:390名(5歳きざみでそれぞれ約50名)
・調査実施 :シックスセンスラボ株式会社 https://www.sixthsenselab.jp/

■参照
・首都圏ナビ
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220609a.html

・一般財団法人京浜保健衛生協会 35.『気象病』に備える
https://www.keihin.or.jp/204/

・共同通信PRWire
https://kyodonewsprwire.jp/release/202109280741

 鈴木博美

旅行業界で15年間の勤務を経てフリーの旅行家へ。旅を通じて食や文化、風土を執筆。日本航空機内誌ほか、新聞雑誌、WEB等に海外各地の旅の記事を寄稿。著書に一人旅に役立つ電子書籍「OL一人旅レシピ」インド編、ベトナム・カンボジア編、エジプト編、世界中の美味しい料理をおうちで作る「いつもの食材で作る世界の料理レシピ」。ブログ「空想地球旅行」で旅のあれこれを発信中。

tags

この記事の関連タグ

recommend

こちらもおすすめ