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綾瀬はるかが《独身・39歳・終活》…? NHKドラマ、 国民的女優が演じる “圧倒的リアル” の正体とは

2025.7.2 ゆるま小林

綾瀬はるかさんが主演するNHKドラマ「ひとりでしにたい」が話題です。39歳、独身、“終活”というテーマを圧倒的なリアリティーで描く同作の魅力に迫ります。

話題作「ひとりでしにたい」

綾瀬はるかさん(2024年11月1日、時事通信フォト)綾瀬はるかさん(2024年11月1日、時事通信フォト)

 綾瀬はるかさんが主演を務めるドラマ「ひとりでしにたい」(NHK総合)が、大きな話題を集めています。同作は、おひとりさま女性の「終活」をテーマとしたドラマで、原作はカレー沢薫さんの同名漫画です。2025年6月21日(土)から放送がスタートすると、SNSでは女性を中心に共感のコメントが多く書き込まれることになりました。なぜ同作は視聴者の胸に刺さるのでしょうか。

 同作は、綾瀬さん演じる主人公・山口鳴海が、憧れていた伯母の孤独死をキッカケに、終活を考えるようになるところからスタートします。鳴海は39歳で、仕事とアイドルの推し活に多くの時間を使う独身女性です。

 プライベートは充実しながらも、伯母が寂しく孤独死したことで焦り婚活を開始。しかし、年齢の問題などがあり婚活はうまくいかず、方針転換して自分らしく死ぬための終活を決意します。まず、「ひとりでしにたい」が共感を得たのは、リアル過ぎるストーリーです。鳴海は、愛猫と気楽に暮らしながら仕事以外の時間は推し活に打ち込むオタク気質の女性。好きなことだけに没頭して、いつの間にか婚期を逃していた設定です。

 男女問わずに思い当たる人が多いようで、SNSでも「独身オタク号泣案件」「33歳独身の男にもグサグサと刺さる内容」など、多くの共感コメントが寄せられました。

 また、同作では独身女性への風当たりが強く、鳴海の父は伯母の孤独死に対し「女一人の老後ってのはみじめだな」と悪気なく暴言を吐く始末。結婚せず子どもも産まなかった自分の姉を、バチが当たったと哀れむセリフをポツリとつぶやく場面が、圧倒的なリアリティーを生み出しています。

 6月28日放送の第2話では両親の介護問題を主人公が考えるようになるのですが、こちらでも独身女性に対する厳しい言葉が飛び交います。鳴海の父は昭和的な考えで、最終的には娘に介護してもらうつもりでいたことが判明。鳴海の仕事を否定するようなセリフもあり、独身の娘が親の介護をするのは当たり前という、昭和的な価値観を押し付けてきます。

 暴言が過ぎると思う一方で、こんな風に考えているシニア層はけっこう多いのではないかと、同世代の筆者も共感してしまいました。

 若い世代の視聴者はピンと来ないかもしれないですが、結婚や介護は40代以上の人には現実で起きている大問題。憂鬱で普段は忘れるようにしている厄介な問題に、「ひとりでしにたい」はズバズバと切り込みます。しかも、周囲の人の何気ない暴言も交えながら見せるので、視聴者は憤り、鳴海の境遇に共感するのでしょう。

次は……綾瀬はるかだから表現できるリアリティー

編集者・ライター ゆるま小林

某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆。

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