なぜ日本だけ「シルバー」と呼ぶの?高齢者をしめす言葉の意外な由来とは
2025.6.27 LASISA編集部
高齢者のことを「シルバー」と呼ぶことがありますよね。シルバー料金、シルバー人材センターなど、たくさんの言葉が日常的に使われています。ところがこの「シルバー」という言葉を、高齢者を指す意味で使っているのは日本だけなのをご存知でしょうか?
高齢者のことを「シルバー」と呼ぶのは日本だけ

高齢者のことを「シルバー」と呼ぶことがありますよね。シルバー料金、シルバー人材センターなど、たくさんの言葉が日常的に使われています。ところがこの「シルバー」という言葉を、高齢者を指す意味で使っているのは日本だけなのをご存知でしょうか? なぜそうなったのか、歴史をさかのぼってみましょう。
偶然「シルバー」だった?
そもそも、英語の「silver」には、銀色や銀といった意味しかありません。高齢者の白髪のイメージから「シルバー」を連想したのではと思われがちですが、それは不正解。実は、国鉄が1973年に導入した「シルバーシート」という優先座席がきっかけになったのです。
国鉄が「シルバーシート」を導入した背景はいくつかあり、ひとつは冷房の設置によるクレームを和らげるため。国鉄の電車には当時すでに暖房は設置されていましたが、「温度が熱すぎる」「寒すぎる」というクレームが多く寄せられていました。冷房を設置することで同じようなクレームが予想されたため、新しい取り組みをおこなっている印象を与えたかったのではないかと言われています。
もうひとつは、通勤ラッシュの対策として設けられた「婦人子供専用車」が廃止されたため、代わりに優先席をつくる必要があったというもの。このときシートを目立たせるために銀色の生地が選ばれたことで、「シルバーシート」と呼ばれることになりました。そして、高齢者が多く利用することから、自然と高齢者を「シルバー」と呼ぶことに。
もしかすると他の色だった可能性も
なぜ銀色が選ばれたかというと、「たまたま銀色の生地が余っていたから」。当時、国鉄は赤字経営が続いていたため、新たに生地を発注する余裕がありませんでした。そのため、新幹線で使って余っていた生地を利用することに。もし、黄色の生地が余っていたら「イエローシート」と呼ばれていたかもしれません。
「シルバーシート」が生まれた背景には、思わぬ偶然が隠れていました。今度誰かと電車に乗ったときに披露してみてはいかがでしょうか?
recommend
こちらもおすすめ