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【美容室】 渡された雑誌が、自分の年代とぜんぜん違う! 「私、そんなオバサンに見えるの…?」《後編》

2025.6.13 マキタサナエ

美容室にまつわる、ちょっと気になるあれこれ。元美容師さんに聞いてみよう! 今回は「雑誌の選び方」後編です。

元美容師が解説、“雑誌選び”の舞台裏

美容室で渡される雑誌、ときに“モヤモヤ”することも美容室で渡される雑誌、ときに“モヤモヤ”することも

 美容室ではカットやカラーリングの間、利用客が時間を持て余してしまわないように雑誌などを貸し出すのが一般的。最近では雑誌読み放題のサブスクサービスを入れたタブレット端末を渡すケースも多くなりましたが、雑誌もまだまだ現役。しかし、自分の年齢と全く異なる年代向け雑誌などを渡されて大ショック! 「私、そんなにオバサンに見えてるの……(涙)?」。こうしたミスマッチははどうして起こるのか? 元美容師の筆者が解説します。

好みでない雑誌を渡す背景

 美容室では基本的に、お客さまの年代や趣味、会話の内容から好みのジャンルを推測して、それに合った雑誌をお渡ししています。例えば、10代後半(学生)~20代、30代前半くらい、メイクも装いもかわいらしい雰囲気の女性だったら、「Cancam」や「Sweet」など。同じ年代でも“個性的”などのキーワードが合う雰囲気なら「mini」や「JELLY」など(JELLYは2024年に休刊・2025年8月17日に復活とのこと)。20代後半~30代、40代くらいで、かっこいい雰囲気やキレイ目な人なら「Oggi」「VERY」といった具合です。

 また同じ系統の雑誌だけでなく、万人が興味を持ちそうなグルメ雑誌や旅行ガイドブックなどを併せてお渡しすることもあります。

 雑誌を渡されたお客さまが、自分の合わないチョイスにモヤモヤしたりショックを受けたりすることがないよう、さまざまなジャンルの雑誌を組み合わせてお渡しするようにしています。ですが、時には好みでない雑誌ばかりになってしまうことも。こうしたミスマッチはどうして起きるのでしょうか?

 それは例えば、お客さまの年代や趣味などが分からない状態で、雰囲気・イメージだけで選んでしまったとき。お客さまの年齢や好みなどをきちんと把握していなかったために、がっかりさせてしまうような雑誌を渡してしまうことがあります。そのようなことが起きる原因として考えられるのは主に三つです。

 まず、スタッフが新人でお客さまのカルテをきちんと読み込んでいない、また先輩に確認していないとき。そしてもう一つは、新規のお客さまで、まだ好みなどを把握できていないとき、です。

 一つめについては、前述の通り新人がやってしまいがちなケースです。仕事を始めたばかりで業務を覚えきれていないときは、今やることだけで精一杯。そのためカルテを見たり先輩に聞いたりする余裕がないという状況が想像できます。

 ただ、だからと言ってお客さまが不満に感じる雑誌を選んでよいという理由には当然なりません。お客さまが大目に見てくれたとしても、そのような雑誌をお渡ししてしまった新人は、先輩から注意を受けることになるはずです。

 二つめの場合、初めての来店だと分からないことだらけ。カルテや会話を参考に興味がありそうな雑誌を選びますが、うまくいかないこともあります。

 さらにもう一つは、店内が混み合っていて残っている雑誌が少なく、その中から選んだ場合です。基本的に、複数種類の雑誌を1冊ずつ置いてある美容室が多いです。そのため、お客さまの年代や趣味、好みを十分に把握していたとしても、渡したい雑誌が他のお客さまの手元にあるということもよくある話。

 その結果、お客様の気持ちが下がってしまうような雑誌しかお渡しできないという状況に。申し訳ないなと思いながらも、雑誌が何もない状態よりはましかもしれない……という気持ちでお渡ししています。

次は……ほかの雑誌を読みたいときは?

ウェブライター マキタサナエ

元美容師。美容や健康、暮らしにまつわることなどの記事を中心に執筆。着物と犬、たべることが好き。現在は日本化粧品検定協会のメイクコンシェルジュ資格取得に向けても勉強中。

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