LASISA

Search

「生活保護」、日本の制度はどう評価されている? 受給者たちへのアンケート調査、「良いと思う」が計48%

2025.6.12 LASISA編集部

困窮時の最後のとりで、生活保護。誰しもお世話になる可能性のあるこの制度について、受給者たちに対するアンケート調査から読み解きます。

全国の552人にアンケート調査

生活費のイメージ生活費のイメージ

 食料品などをはじめとする物価高騰が止まらず、さらに電気・ガス料金は5月請求分から値上げ。冷房が必須となる季節を前に、とりわけ生活困窮者にはいっそう厳しい暮らしが迫られそうです。

 携帯電話を持っておらず日常生活に困難をきたす人などを対象に「誰でもスマホ」サービスを提供するアーラリンクがこのたび、「生活保護に関する意識・実態調査」を実施し、結果を発表しました。同サービス利用者の過半数が生活保護受給者といいます。

 調査は2025年5月、生活保護を受給している全国の「誰でもスマホ」利用者を対象にウェブ上で行われたもの。552人から回答を得ました。

 生活保護の受給に対する気持ちは「少し後ろめたいが仕方ない」が最も多い60.7%。「当然の権利だと思う」は21.4%、「恥ずかしいと思う」は12.1%でした。経済的な理由で諦めたこと(複数回答)として最も多かったのは「十分な食事をとること」(67.2%)。以下、「携帯電話やスマホの契約・維持」「誰かに相談すること」「光熱費を節約し過ぎて健康に影響が出た」「病院へ行くこと」などが上位に並んでいます。

 日本の生活保護制度に対する評価は、「非常に良いと思う」19.0%、「まあ良いと思う」29.0%、「どちらとも言えない」25.0%、「あまり良いとは思わない」19.6%、「全く良いとは思わない」7.4%。

 評価できる点は、「病院代が無料になる、家から病院までの交通費が支給される、水道代が免除される、ごみ袋が支給される、住民票等の必要な書類が無料で取れる」(東京都、30代女性)、「最後の砦というか、生活が困窮しているときのセーフティーネット」(神奈川県、50代男性)など。

 一方、制度への“不満”も見られました。改善してほしい点として挙げられたのは、「物価高騰が続き食材が買えないので、経済状況に合わせ支給金や物資を提供してほしい」(東京都、30代女性)、「病気などで働けない人と個人的な理由で働かない人の保護費の金額を考えてほしい」(東京都、50代女性)、「車の使用また保持がダメなのは、不便な所に住んでいる人は自分も含めて大変な思いをしている。特に冬」(北海道、60代男性)「受給の金額を上げてほしい。整骨院、接骨院を受診できるようにしてほしい」(神奈川県、40代男性)などでした。

 誰しも思いがけず必要になるかもしれないのが生活保護制度です。実際に利用している人たちの声を知っておくのは有用なのではないでしょうか。

出典:アーラリンク「誰でもスマホ リサーチセンター」
https://www.ala-link.co.jp/

tags

この記事の関連タグ

recommend

こちらもおすすめ