LASISA

Search

「ビデオテープを巻き戻す」ってどういうこと? 「VHS」を知らないイマドキ若者たち

2025.6.10 LASISA編集部

「若者はVHSを知らない人が多い」ことが話題になっています。中には「名前は知ってるけど使ったことはない」「『巻き戻し』の意味がわからなかった」という人

若者はVHSを知らない人が多い!?

昭和生まれには当たり前でも…昭和生まれには当たり前でも…

 現在ではBlu-rayやHDが主流の映像記録メディアですが、1990年代にもっとも汎用されていたものと言えば「VHS」でしょう。当時はほとんどの家庭に“ビデオデッキ”が設置されていました。しかし最近、「若者はVHSを知らない人が多い」ことが話題に。中には「名前は知ってるけど使ったことはない」「『巻き戻し』の意味がわからなかった」という人も。これまでのVHSの歴史や、最近の事情について見てみましょう。

「VHS」対「ベータ」ビデオ戦争に勝利したのは……

 日本でVHSが誕生したのは1976年のこと。日本ビクターが家庭用ビデオテープレコーダー第1号機を「VHS」規格で発売しました。前年にはソニーが「ベータ」規格の家庭用ビデオテープレコーダーを発売しており、ほぼ同時に2つの規格の“ビデオデッキ”が市場に登場することに。その後、それぞれの規格に他社が参入して市場が広がったことで、「ビデオ戦争」と呼ばれる事態になりました。

 当時、「ベータ」は画質の良さがウリだったのに対して、「VHS」の特徴は、低価格とテープ1本の録画時間の長さ。映画などの長時間番組も録画できることが、VHSが選ばれた理由の1つとも言われています。1980年代前半にはVHSが市場で優位となり、1988年にはソニーもVHS製品を発売することに。「ビデオ戦争」に勝利した「VHS」はその後、生産台数約9億台と世界に広く普及しました。

 しかし、1990年代後半になりDVDが登場すると、VHS市場は縮小。デジタル化の波も受け、2008年には日本ビクターがVHSデッキの生産を終了することに。その後、唯一残っていた船井電機も2016年に生産を終了したことで、VHSの時代は終わったと誰もが感じたでしょう。

海外でブームの兆し!

 ところが、一部では今再び「VHS」ブームの兆しが見られています。北米限定ではあるものの、日本でも公開されたホラー映画『テリファー』『エイリアン:ロムルス』などが限定本数でVHSをリリースして話題に。また、邦画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の公開後キャンペーンでも、劇中のモチーフになっていた「VHS」規格のビデオテープが景品に用意される試みがありました。

 完全に過去のものになったかと思われた「VHS」ですが、未だビデオテープを愛するファンは世界中に存在しているようです。もしかすると再びスポットライトが当たる日が来るかもしれませんね。

tags

この記事の関連タグ

recommend

こちらもおすすめ