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知ってた?「さやえんどう」「さやいんげん」の違い…それぞれの旬や栄養の特徴、おすすめの食べ方を解説

2025.5.11 LASISA編集部

春から夏は、緑豊かな豆科の野菜がおいしい季節です。似ているようで違う「さやえんどう」「さやいんげん」についてきちんと区別できますか?

知ってる?「さやえんどう」「さやいんげん」の違い

似たような姿の豆科の野菜、区別できる?似たような姿の豆科の野菜、区別できる?

 春から夏は、緑豊かな豆科の野菜がおいしい季節です。ところで、スーパーの野菜売り場などで、似たような姿の豆科の野菜が並び、呼び名もいろいろあって迷ったことはありませんか? この記事では似ているようで違う「さやえんどう」「さやいんげん」の違いについて、取り上げたいと思います。

えっ…!豆苗は「えんどう豆」の芽?

「さやえんどう」は「えんどう豆」の若いサヤです。「えんどう豆」は成長過程によって食べる部位が変わるのが特徴です。若い茎芽を食べる「豆苗」、若いサヤごと食べる「さやえんどう」「絹さや」、サヤの中の豆が完熟する前の実だけを食べる「グリンピース(実えんどう)」、完熟後の実を甘納豆やみつ豆などで食べる「青えんどう」「赤えんどう」があります。

「さやえんどう」は「えんどう豆」の若いサヤ

 なお、「スナップえんどう」はグリンピースをサヤごと食べられるよう品種改良したもの、和歌山県の特産でもある「うすいえんどう」もグリンピースの改良品種です。このうち、「絹さや」「さやえんどう」「スナップえんどう」「うすいえんどう」は春が最盛期です。

「さやいんげん」は夏が旬! 丸サヤ系や平さや系などの品種あり

 一方の「さやいんげん」は、「いんげん豆」の若いサヤ。本来の旬は夏ですが、成長サイクルが早く、栽培方法によって収穫時期をずらして1年に3度収穫できることから「三度豆(さんどまめ)」「四季豆」とも呼ばれています。

 ツルの有無やサヤの形や長さなどで分類され、数百種も品種があると言われています。一般的によく見かけるのは丸さや系のいんげん。「モロッコいんげん」は平さや系いんげんです。また、熟した豆を煮豆や和菓子の餡などに加工して食べる品種も多く、金時豆、うずら豆、大福豆、白花豆、紫花豆、とら豆などがあります。

「さやえんどう」「さやいんげん」に共通する栄養ポイント

▲油で炒めて煮込む筑前煮や肉じゃがの彩りに「さやえんどう」「さやいんげん」はベストマッチ!▲油で炒めて煮込む筑前煮や肉じゃがの彩りに「さやえんどう」「さやいんげん」はベストマッチ!

「さやえんどう」「さやいんげん」ともに緑色の見た目の通り、緑黄色野菜に分類されています。

 実はβ(ベータ)-カロテンの含有量は緑黄色野菜の基準(可食部100 gあたり600μg以上)に少しだけ足りないのですが、さやごと量を食べられることもあり、カロテンの補給源になりうると判断されています。β-カロテンは、活性酸素を抑えて生活習慣病を予防したり、皮膚や粘膜の健康を保つために不可欠な栄養素です。

 また、骨にカルシウムを沈着させて丈夫に保つ働きがあるビタミンKも共通して多く含まれています。β-カロテンとビタミンKは油と一緒に摂ると吸収率がアップするため、肉を使った料理や炒め物などに添えると彩り+栄養価がアップします。

ビタミンCとたんぱく質も豊富な「さやえんどう」

▲えんどう豆×卵の組み合わせで、たんぱく質をダブル摂取!▲えんどう豆×卵の組み合わせで、たんぱく質をダブル摂取!

「さやえんどう」特有の栄養の特徴は、ビタミンCの多さ。また、たんぱく質の含有量も、さやいんげんを上回り必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

 たんぱく質+ビタミンCは、コラーゲン生成を促すベストパートナーです。美肌や筋力維持のために副菜をもう一品食べるなら、「さやえんどう(またはグリンピース)の卵とじ」「さやえんどうとベーコンのペペロンチーノ」などは、いかがでしょうか。

脂溶性ビタミンとカルシウムとが多めの「さやいんげん」

▲「さやいんげん」の定番、ゴマ和え。カルシウム強化に!▲「さやいんげん」の定番、ゴマ和え。カルシウム強化に!

「さやいんげん」も、さやえんどうほどではありませんが、豆科野菜の特徴である、たんぱく質と必須アミノ酸を含んでいます。また、β-カロテンとビタミンKの含有量はさやえんどうを上回り、カルシウムとカリウムも多く含まれています。「さやいんげんのゴマ和え」はカルシウム豊富なゴマをプラスすることで、骨粗しょう症予防の相乗効果が期待できる献立です。

まとめ

「さやえんどう」「さやいんげん」ともに、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸を豊富に含んでいる点も共通の栄養ポイント。アスパラギン酸はエネルギー代謝に関与し、疲労回復や疲労物質である乳酸の分解を促進させる働きがあります。

 春から夏は急な暑さに体がついていけず、疲れやだるさを感じやすくなる季節です。さやごと食べられる豆科野菜でダメージをはねのけましょう。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

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