「偉い」だけじゃなかった! 地域で異なる“えらい”の意味とは?
2025.5.3 LASISA編集部
一般的に「えらい」と言うと、普通よりも優れている、社会的な地位が高いといった様子を表す「偉い」の意味として捉えられることが多いでしょう。しかし地域によっては、「えらい」を異なる文脈で用いるケースもあります
地方によってさまざまな「えらい」の意味

一般的に「えらい」と言うと、普通よりも優れている、社会的な地位が高いといった様子を表す「偉い」の意味として捉えられることが多いでしょう。しかし地域によっては、「えらい」を異なる文脈で用いるケースもあります。進学や就職を機に、新しい場所で生活を始めたという人も増えるこの時期。方言の違いとして特に話題になりやすい、「えらい」のさまざまな用法に注目しました。
意味が伝わらずに誤解された苦い経験談も……
方言の「えらい」として比較的わかりやすいのが、「とても」あるいは「大変」の意味で用いられるケース。主に大阪や京都などの関西地方において、「えらい頑張ったな(=とても頑張ったね)」「えらいことになった(=大変なことになった)」といったニュアンスで使われます。
また関西だけでなく東海地方、中国・四国方面で使われる「えらい」には、「しんどい」「疲れた」という意味が含まれるよう。つまり「今日はなんだかえらい」と言うと、「自分が偉い」のではなく「体がダルい」と伝えていることになります。「偉い」と「しんどい」では言葉の意味合いがまったく異なるので、方言としてのニュアンスを知らない相手に使うと誤解を招いてしまうことも。
実際、「しんどい」の意味合いで「えらい」を用いて言葉の真意が伝わらなかったという人は少なくありません。ネット上でも「『今日はなんだかえらそうだね』と言ったら、“偉い”のニュアンスで受け取られてしまい、煽られたと思った相手から冷たい言葉が返ってきた」「『今日はえらいから帰るわ』って友だちに伝えたとき、『帰るのに偉いとか関係ある?』って笑われた」など、さまざまな声が上がっています。
ちなみに名古屋弁では、「すごい」と強調する意味での「どえらい」「どえりゃあ」もよく用いられる単語。また山口県でも「とても」を表す「ぶち」という方言と「えらい」を組み合わせて、「ぶちえらい(=とても疲れた)」のように使われることが多いようです。
他には広島県の方言として、「頭が良い」を意味する「頭がえらい」といった言い回しが使われるケースも。自分と異なる地域出身の人に出会った際は、それぞれが親しんだ「えらい」のニュアンスを話題にしてみると盛り上がるかもしれません。
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