避妊効果だけじゃない！生理の緩和効果を期待できる《ミレーナ》という選択肢

2025.4.27 natsu

毎月の生理痛や経血量の多さに悩んでいる人の選択肢「ミレーナ」という選択肢があります。具体的なメリットやデメリットを紹介します。

「ミレーナ」とは？

　毎月の生理痛や経血量の多さに悩んでいる人は多いのではないでしょうか？「少しでも楽になりたい」と思っても、痛み止めを飲んだり、体を温めたりするだけでは根本的な解決にならず、毎月つらい思いをしている人もいるかもしれません。

　そんな悩みを抱える人に注目されているのが「ミレーナ」という選択肢です。避妊具の一種として知られていますが、実は生理痛の軽減や経血量の減少といった効果も期待できます。この記事では、ミレーナの仕組みやメリット、低用量ピルとの違いについて詳しく解説します。

　ミレーナは、子宮内に装着することで避妊効果を発揮する「子宮内黄体ホルモン放出システム（IUS）」の一種。T字型の小さな器具にレボノルゲストレルという黄体ホルモンが含まれており、子宮内で少しずつホルモンを放出することで、妊娠を防ぐ仕組みです。

　一般的なピルのように毎日服用する必要がなく、一度装着すれば最長5年間効果が持続するため、「手間がかからない避妊方法」として選ばれることが多いのが特徴です。また、避妊目的だけでなく、生理痛の軽減や経血量の減少といった婦人科系の悩みにも効果が期待できることから、治療目的で使用する人も増えています。2014年には、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などで月経困難症や過多月経を抱える人の治療として保険適用となりました。日本では医師の診察を受けた上で処方・装着されるため、自分に合った方法かどうかをしっかり相談しながら検討することが大切です。

ミレーナのメリット・デメリット

　ミレーナには、避妊効果が高いという大きなメリットがあります。避妊をした上で1年以内に妊娠する確率は、コンドームは2％・低用量ピルは0.3％とされていますが、ミレーナは0.2％です。ミレーナには、子宮内膜が薄くなり、受精卵の着床を防ぐ効果だけでなく、精子が子宮内に侵入しないようにする効果もあります。この2つの効果によって妊娠する確率を低く抑えられているのです。さらに、月経困難症や過多月経の改善に効果を期待できるため、生理痛がひどい人や経血量が多い人は治療としてミレーナを選択できます。

　ミレーナのデメリットは、装着時に痛みを感じることがあり、特に出産経験がない人は強い痛みを伴う可能性があることです。また、装着後しばらくの間、不正出血が続くことがあり、体が慣れるまで時間がかかることもあります。まれにミレーナがずれてしまうケースや、体質によって合わないこともあるため、定期的な検診が必要です。

ミレーナとピルのどちらを選ぶ？

　ミレーナと同じく避妊や生理の治療として使用されるものとして低用量ピルがあります。飲むだけで効果を期待できるため、手軽さがありますよね。ミレーナとはどのような違いがあるのでしょうか。

　ミレーナは、一度装着すれば最長5年間効果が続くため、毎日薬を飲む必要がなく、手間がかからないのが大きなメリットです。また、子宮内でホルモンが放出されるため、ピルに比べて全身への影響が少なく、副作用が出にくいとされています。

　ただし、装着時の痛みや、装着後しばらく続く不正出血など、慣れるまでに時間がかかることがあります。一方、ピルは自分で服用の管理が必要ですが、服用をやめればすぐに効果がなくなるため、将来的に妊娠を考えている人にとっては調整しやすい方法です。生理周期を整えたり、ニキビなどの肌トラブルを改善したりする効果も期待できます。

　ただし、飲み忘れると効果が薄れてしまいます。毎日決まった時間に服用する必要があるため、手間が気になる人もいるかもしれません。また、ホルモンの影響で吐き気や頭痛などの副作用が出ることもあります。なかには、ピルを服用できない人もいます。喫煙している人・血栓ができやすい人など、ピルに向かない体質の人は、ミレーナの方が向いているでしょう。

　どちらが合うかは、人それぞれ異なります。毎日の服用が負担にならない人や、生理周期を調整したい人はピル、毎日の手間をかけずに長期間の避妊や生理の軽減を求める人はミレーナが向いているかもしれません。医師と相談しながら、ライフスタイルや体質に合わせて、自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。

【まとめ】
　避妊だけでなく、生理の緩和も期待できるミレーナは女性にとって心強い味方です。ただし、性病の予防はできないので性病予防のためにはコンドームの使用が必要となります。また、ミレーナの位置がずれたり脱出してしまったりする可能性があるため、定期的な検診が大切です。生理の辛さを我慢しすぎず、医師に相談した上でライフスタイルや体調に合った方法で悩みを解消していきたいですね。

【画像】避妊効果もある「ミレーナ」とは？（画像あり）